ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

ニチガス、世界最大規模のLPガス基地が稼働

2021年3月16日 (火)

ロジスティクスニチガスは16日、川崎市川崎区に建設した世界最大規模のLPガス充てん基地「夢の絆・川崎」が同日から稼働を開始すると発表した。

基地は独自のアルゴリズムを搭載した高性能カメラ、生体認証セキュリティゲートによって、車両や人間、容器の情報がすべて自動認証でデータ化され、これらのデータと顧客宅に設置された自動検針ツール「スペース蛍」から送られてくるガス消費データ、物流拠点「デポステーション」内の容器在庫データがシステム連携し、AI解析によって最適な製造(充てん)計画を算出するという。

新基地の始動により、充てん基地、デポステーション、スペース蛍、業務システム「雲の宇宙船」が連動してリアルタイムにデータ連携する。これにより、生産と消費をつないで人の作業を極小化し、完全なトレーサビリティを実現することで「従来以上に高効率の物流システム」が完成することになる。

入場口には14台の高性能カメラが設置され、ゲートを通過するトレーラーに積載された最大240本程度のボンベに貼られたバーコードを正確に読み取る。高性能な望遠レンズと独自のアルゴリズムによって、ボンベの高さが一定でなくても、天候や明るさに左右されない読み取り能力を持つ。トレーラーゲートの導入により、これまでハンディターミナルを使った人間の作業だった容器の入出庫管理業務はすべて自動化される。

トレーラーから荷下ろしされたボンベは、レーンを流れ、高性能カメラで自動的にバーコードが読み取られる。ボンベは、認識されると瞬時に新製造計画エンジンにより、充てんする充てん機、配送先デポステーション、到達すべきストックヤードが決定される。分岐点(地上5メートル以上の非防爆エリア)に合わせて20台の高性能カメラを設置し、ストックヤードまで到達する最短ルートを自動分岐ガイドとシステム連携することによってコントロールする。

同社はシステムをほかの事業者が使用できるようにするため、「LPG託送」という新たな取り組みも検討しているという。

■「夢の絆・川崎」の概要
所在地:川崎市川崎区浮島町11-4
主要用途・設備:LPガス充てん所
LPガス貯蔵設備:貯槽タンク30トン×2基、液送ポンプ3台、ガスコンプレッサー7台(受入用×4台、残ガス回収用×3台)、トレーラー置場:20t×78台
敷地面積:2万8700平方メートル(8687坪、工業専用地域)
充てん能力:5万トン(月間)
検査能力:4万本/月