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東洋紡、岩国にマスク用不織布の製造拠点

2021年3月25日 (木)

東洋紡岩国事業所(出所:東洋紡)

拠点・施設東洋紡は23日、山口県の岩国事業所内に高機能ポリプロピレン不織布の開発・製造拠点を新設すると発表した。マスクや医療用防護服の部材として使用するもので、経済産業省の補助金を活用して4月に着工。来年7月の生産開始を目指す。

建物面積は1607平方メートルで、設備投資額は16億円。アフターコロナの時代を見据えて、耐久性や集じん効率などを向上させた高機能の不織布や、地球環境にやさしい原料を使用した不織布の開発に注力するという。

生活の基盤を支える製造業の数々

東洋紡をはじめとする製造各社のコロナ禍における社会寄与は、地道ながら高評価に値するものだ。ことし2月に発表された北里研究所・椿本チエイン・東洋紡の共同開発による「多検体検査を可能にする次世代型オートメーション技術を利用した画期的な新型コロナウイルス検査法の確立」も、検査数の増加への寄与は間違いないものだった。

一方で本記事にあるような、生活者に直接関与するマスクなどの素材の供給を安定化させ、災いを転じさせて将来への布石とすることにも、期待と好感が持てる。物流業界にとっても現場や事務所でのマスク着用は当然となっているわけだが、一時のような供給不足による価格高騰や入手困難は、二度と繰り返してはならない。

現場を止めぬために不自由極まりない毎日を過ごす業界人たちには、せめて身を護る最低限の備えであるマスクぐらいは、高品質のものを遠慮なく着用してもらいたい。新社長就任により、一層の躍進が期待できる東洋紡をはじめ、多種多彩な製品開発に勤しむ製造各社にエールを送りたい。(企画編集委員・永田利紀)