ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

MSC、ブロックチェーンで船荷証券を電子化

2021年4月30日 (金)

ロジスティクスMSCは現地時間の4月28日、従来の紙の船荷証券に代わる、電子船荷証券(eBL)を正式導入すると発表した。米国とイスラエルに拠点を置くウェイブBLが提供する、ブロックチェーンプラットフォームを活用する。両社は2019年から一部の国で試験運用を行ってきたが、成功を受けてMSCは対象を全世界に拡大する。

MSCは、物流関連業者や荷主が2030年までに紙の船荷証券の半分をeBLへ切り替えることで、海運業界全体で年間40億米ドル(4300億円)以上を削減できるとしている。また、船荷証券の取り扱いが高速化されることで支払いサイクルが短縮され、偽造や人的ミスなどのリスクも抑えるという。

ウェイブBLが提供するのは、ブロックチェーン技術を使用して貨物出荷取引を電子的に管理するシステムで、MSCは「従来の書類による過程を反映した、より速く安全な代替手段」と評価。国際P&I(船主責任相互保険組合)も、同システムの通信プロトコルの安全性を「業界の最高水準」として認めているという。

なお、21年内は同システムを無料で提供する。輸出入業者や貿易業者などのユーザーは、導入や運用のためのコストを支払う必要はなく、BLのオリジナル書面の発行費用のみ負担する。