凸版印刷、アイオイ・システムを子会社化

M&A凸版印刷は28日、デジタルピッキングシステム国内最大手のアイオイ・システム（東京都大田区）の発行済株式の75.8％を取得し、6月に子会社化すると発表した。アイオイ・システムは日本国内に加えて72か国の倉庫や配送センターなどにデジタルピッキングシステムを提供するなど、海外でも広く事業を展開している。

凸版印刷は近年、サプライチェーン全体のデジタル化に向け、DXソリューションの開発・運用ビジネスに注力している。同社のソリューションサービスをアイオイ・システムの物流支援システムと組み合わせることで、物流DX市場に本格参入する考え。

アイオイ・システムは主力のデジタルピッキングシステムをはじめ、プロジェクターからの光でピッキングを指示するプロジェクションピッキングシステム、ピッキングミスなどの防止に向けて棚の前面に開閉式シャッターを設置するシャッターアソートシステムなどに強みを持つ。また、通い箱の表示用に繰り返し書き換え可能な、電子ペーパー付IDカードなども提供する。

一方の凸版印刷は、物流関連ではRFIDを活用したトレーサビリティシステムや、製造工程のデジタル化を支援するソリューション「ナビネクト」などを提供。センシング技術やAI、ロボット技術の研究などにも取り組んでいる。両社は今後、各種データの取得や利活用、新規ビジネスの創出に向けた検討を進める。