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GROUND、物流統合管理・最適化システムを発表

2021年6月15日 (火)

M&AGROUND(グラウンド、東京都江東区)は15日、自社開発した物流施設の統合管理・最適化システム「GWES」(ジーダブルイーエス、GROUND Warehouse Execution System)の提供をことし8月2日に始めると発表した。6月30日に資本業務提携を結ぶトラスコ中山が2024年に愛知県北名古屋市で稼働予定の「愛知新物流センター」(プラネット愛知)に導入する計画だ。GROUNDは「GWES」を、シナモン(同港区)を含めた今後の3社提携において、自社の強みを発揮する象徴的な案件と位置付ける。

GWESは、GROUNDが20年9月末に提供を始めたAI(人工知能)物流ソフトウェア「DyAS」(ディアス)をベースに、新たな機能を追加した汎用性・拡張性の高いパッケージシステム。GROUNDは、「DyAS」を「GWES」へと発展的に統合して、販売から導入支援、保守までを一貫して担う体制への再構築を図る。営業面では、GROUNDの直接販売だけでなく、パートナー企業による代理店販売にも拡張することで、より効率的でスピーディーな市場展開を推進する。

GWESは、「物流施設内の状況の可視化・分析」「業務自動化・リソース最適化」「物流施設内のハードウェア・ソフトウェアの統合管理」「物流施設内の地図のデジタル化」の4つの役割を果たす計7つのモジュールで構成。GROUNDは、物流向け技術の強みについて、「物流施設を起点に物流全体を最適化できるソリューションであること」としており、GWESもその文脈にあるシステムである。

物流現場では、荷物搬入から仕分け、搬出と続く各工程で改善すべき課題が発生した場合、その部分に新しい機器を導入するなどして、部分最適化する傾向があった。しかし、一連の工程を最適化するには、工程全体を統括して課題を抽出・分析して、全体の流れをスムーズにすることを念頭に改善を図ることが必要であるとの考えから、今回の開発につなげた。GROUNDの宮田啓友社長は、今回のGWES開発の意義について、「在庫保有や人員の的確な配置など、物流の『最適化』を実現できるのが強み」と語る。

GROUNDにとってトラスコ中山は、DyASの開発の共同実証実験を行うなど、すでに連携関係にある。両社は今後、こうした共同開発案件をより深化させていく方針だ。GROUNDに資本参加する立場である、トラスコ中山の直吉秀樹・取締役物流本部長は「プラネット愛知では、『必要なものが必ずある、すぐに届く』ワンストップの物流を、GROUND様の技術とともに実現していく」と話した。