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配送車両「見守り人」探索マッチング、10月始動

2021年8月12日 (木)

案件と料金を登録して見守り人のオファーを待つ(出所:ケイソー)

サービス・商品首都圏と九州で軽貨物配送サービスを展開するケイソー(千葉県柏市)は11日、物流マーケティングサービス「PARELL!」を運営するSTART WITH WHY(スタートウィズワイ、東京都港区)と共同で、配送車両の見守りサービス「マモル」の提供をことし10月に始めると発表した。ドライバーが荷物の配送で車両を離れた時に、積荷の盗難や車両へのいたずらを防止するための「見守り人」を探すマッチングサービス。配送時のトラブルを防ぐ取り組みは珍しく、業界の注目を集めそうだ。

配送業者は「マモル」に配送地点と時間帯、料金を入力。「見守り人」の希望者は、配送車両の見守り案件を検索し、場所や時間帯、料金などの条件が合えば確定する。いわゆるマッチングサービスを「見守り人」に応用した新サービスだ。

「マッチング」システムの応用例だ

配送現場では、積荷の盗難や車両の損傷などのトラブルが起きていることから、宅配業者が配送時ドライバーに監視役を同乗させるケースもある。しかしながら、限られた人員で何とか業務を回している業者も少なくないなかで、余分なコストや時間が必要となり、現場の課題になっている。

開発に携わった2社は、求貨求車サービスなどで使われるマッチングシステムに着目。「見守られたい」ドライバーと「見守りたい人」を引き合わせることで、新しいサービスが生まれると発案した。まさに「発想の転換」で創出した新しいビジネスと言える。

物流DX(デジタルトランスフォーメーション)というキーワードが広まって久しい。「最新型のロボットやセンシングシステムを導入することで、物流現場を変える」との触れ込みで、導入に前向きな企業も増えてきている。しかし、こうした既存のシステムの新たな「使い方」を見つけることで、こんな新サービスが生まれるのだ。やはり、現場改革に必要なのは人間の「知恵」だと実感する。(編集部・清水直樹)