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ソウコ、冷凍冷蔵の一律従量制保管サービスを開始

2021年8月16日 (月)

サービス・商品物流スタートアップのsouco(ソウコ、東京都千代田区)は16日、冷凍冷蔵温度帯における全国一律料金の従量制保管サービスの提供を開始したと発表した。ソウコはことし7月、パレット・カゴ台車・段ボールの荷物について全国一律料金での従量制保管サービスの提供を開始。冷蔵冷凍温度帯の保管プランを新たなサービスのラインアップに加えることにより、食品をはじめとする温度管理を必要とする荷物の保管に対応する。

消費スタイルの多様化や新型コロナウイルス感染症の拡大などに伴う冷凍食品ニーズの高まりを受けて、物流業界では低温サービスの提供を推進する動きが広がってきた。

利用希望者がソウコに相談すると、ソウコに登録されている物件から条件にあった最適な保管先倉庫が提示される。利用の決定後は、ソウコが提供する入出庫管理システムを利用して、倉庫への入出庫指示や作業実績管理、在庫状況などの情報を一元管理できるほか、荷主と倉庫提供者の双方がオンライン上で作業ステータスを確認することも可能だ。

受け入れ可能な荷姿はパレットに限る。料金は、保管料が1日1パレットあたり150円、入出庫料が各1パレットあたり500円。サイズは110センチ×110センチまたは90センチ×110センチで、荷物の高さは150センチ以内。重量は750キログラムまで。

新規ビジネスチャンスは「冷凍」にあり

物流業界は今や、空前の「冷凍ビジネス」ブームといってよいだろう。倉庫から宅配サービス、物流関連機器メーカーまで、幅広い関連企業で「冷凍」を意識したサービスの開発・提供にしのぎを削っている。その背景にあるのが、コロナ禍で生まれた「冷凍食品」の高い需要だ。

冷凍食品の魅力は、長期間保存しても鮮度が維持される点だ。政府や自治体から外出自粛が呼びかけられるなかで、「巣ごもり生活」を迫られる世帯では、外食もままならない状況で、冷凍食品に頼る生活スタイルになるのはむしろ必然と言える。言い換えれば、冷凍食品物流は新規ビジネスの「宝庫」であるわけだ。

むしろ、先進的な施策を進める企業は、顧客ニーズに対応するというよりも、需要を創出するためにサービスを展開しているように映る。こうした需要の「先取り」でビジネスを生み出していく手法は、ソウコのようなスタートアップ企業の得意領域だ。しばらく収まりそうもない「冷凍」市場の獲得をめぐる攻防は、物流業界の活性化を期待する立場においては、非常に歓迎する動きなのは言うまでもない。(編集部・清水直樹)