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アサヒロジスティクス、制服で女性ドライバー確保

2021年8月25日 (水)

導入された女性用ユニフォーム(出所:アサヒロジスティクス)

話題アサヒロジスティクス(さいたま市大宮区)が、女性ドライバーの意見を反映した女性用ユニフォームの導入に注力している。ことし4月に初めて採用。このたびサイズ展開を4種類から6種類に広げ、より多くのドライバーに快適に着用してもらえるようにした。物流現場における女性用ユニフォームの浸透にこだわる狙いは何か。現場従業員の定着とともに、この現場を支える「プライド」の醸成を図る狙いが透けて見える。

アサヒロジスティクスは2019年12月、「クローバープロジェクト」を発足し、女性や若手ドライバーの働く環境を整備し積極的に採用を行うことを目的とした取り組みを推進している。女性用ユニフォームの導入もこうした取り組みの一環だ。

女性向けユニホームのサイズ交換や追加支給を申請する際のWeb申請を8月31日に導入する。女性向けユニホームの申請時に限り、中身が見えない袋に個別に封入する支給方法に変更するなど、女性ならではの配慮も忘れない。日々着用しているユニホームをより快適なものにするだけでなく、女性担当者が在籍していない拠点でもストレスなくユニフォームの申請ができる仕組みを整える。

アサヒロジスティクスが導入した女性用ユニホームの特徴は、ポロシャツを透け感が気にならないデザインに変更し、軽く肌触りが柔らかい素材にしたことだ。パンツはタックを入れて腹部にゆとりを持たせ、脚幅は太すぎず足さばきの良いシルエットとし、おやれ感を失わずに現場作業のしやすさを追求した。ベルトは腹部の圧迫を軽減し、軽量化も可能なテープタイプとした。

定着率向上の秘策は「性差を意識せずに働ける環境」

アサヒロジスティクスが女性の現場就業環境に配慮した取り組みは、ユニフォームだけではない。2020年に導入した女性専用トラック車両「クローバー」は、「女性が快適に過ごせる指定席を作ろう」という思いを込めている。1日のほとんどを過ごすトラックを「乗りたい車両」にすることで、 現在在籍しているサービスドライバーにさらに活躍してもらえること、生き生きと働く女性ドライバーの姿をきっかけに、多くの女性に物流業界に関心を持ってもらうことを目的としている。

ドライバー不足が叫ばれて久しい。物流業界は、消費スタイルの多様化や新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う宅配ニーズの高まりなどで取扱量が急増し、現場は常に繁忙な状態だ。こうした状況下で、女性ドライバーの確保は不可欠な取り組みだ。

「この職場だから働ける」との思いを抱く傾向は、実は女性の方が男性より強いとの話を聞いたことがある。つまり、プライド意識を生み出す仕掛けが必要なのだ。アサヒロジスティクスのこうした活動は、ドライバー不足の改善につながるヒントを与えてくれる。(編集部・清水直樹)