国内国土交通省北海道開発局旭川開発建設部とヤマト運輸(東京都中央区)は20日、「道の駅」の駐車場を長距離物流の中継輸送拠点として活用する実証実験を行うと発表した。トラックドライバーの長時間労働の負担を軽減するとともに、物流インフラの維持を図る狙いだ。
北海道開発局は、北海道の産業の強みである「食」と「観光」を提供する地域を「生産空間」と位置付け、生活や産業を支える物流の維持に注力する。そのためには、トラックドライバーの高齢化や担い手不足への的確な対応が必要であると判断。広大な北海道は広域分散型が進み、トラックドライバーの長時間労働が負担となり、物流の維持の大きな課題となっている。
今回の実証実験は、幹線道路沿いに立地し休憩機能を有する「道の駅」の特性を活用。「道の駅」駐車場の一部を長距離物流の中継拠点として活用することで、長時間労働の解消により、トラックドライバーの負担を軽減し、「生産空間」の物流の維持を目指す。道北地域での「道の駅」を中継輸送拠点化も検討する。
実証実験は11月上旬から中旬にかけて数回実施する。場所は道の駅「もち米の里☆なよろ」(名寄市)。札幌市と道北の枝幸町との300キロメートルを往復するトラック輸送について、道の駅「もち米の里☆なよろ」を中継拠点としてヘッドを交換することで、ドライバーの拘束時間を10時間半から7時間程度に減らす。ヤマト運輸は、実験に参加する物流事業者の調整を含めた中継輸送や効果検証に協力する。