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ヤマト運輸、コールセンターにテレワーク制度導入

2021年10月29日 (金)

ロジスティクスヤマト運輸(東京都中央区)は10月29日、コールセンターのオペレーターにテレワーク勤務制度を導入する、と発表した。テレワーク利用拠点は23拠点で、11月1日8時以降の受電から運用をはじめる。コールセンターの受付時間は8時から21時まで。

11月1日からコールセンターで働くパートタイム社員を含め、オペレーターは、1日の就業時間を2つ以上の区分に分割し、その区分の間に無給の時間間隔が空いている勤務スケジュール(スプリットシフト)や通勤時間の削減につながる「柔軟な働き方」が選べるようになる。

これに伴い、セキュリティ面では顔認証技術を活用、PCカメラでオペレーターの勤務状況を管理する。事前登録したオペレーター以外の人がPC画面を見ると機能が一時停止し、管理者へリアルタイムに通知される機能を設けた。

電話で対応中に分からないことや困りごとが発生した場合、電話を保留にしながら管理者がリアルタイムでサポートし、通話状態のまま管理者へつなげる仕組みも用意した。

▲テレワークの仕組みイメージ(出所:ヤマト運輸)

オペレーターの「テレワーク化」、より実効的な労務改革の契機になるか

ヤマト運輸が、コールセンターのオペレーターに対するテレワーク勤務制度を導入することになった。オペレーターの継続的な確保や新規採用の円滑化につながる、歓迎すべき取り組みだ。物流現場における就労環境の改善は、人手不足に悩むセンターなど他の職場への水平展開が進む契機にもなりそうだ。

宅配最大手のヤマト運輸がコールセンターの労務改革に乗り出したことで、業界全体に同様の動きが波及する可能性が高い。ヤマト運輸はオペレーターを採用するうえで高い優位性を確保することになるからだ。コールセンターのオペレーター採用においては、賃金が求職者の大きな判断基準になってきたが、今後はこうした柔軟な勤務体系を求める声が高まるだろう。

物流サービスを展開するうえで、コールセンターのオペレーターは顧客と「対話」する重要な役割を果たす。いわば企業の「顔」である。こうした就労環境の改善を進めるにあたって、オペレーターの教育機会を充実させる時間を捻出できないだろうか。在宅などテレワーク勤務は、通勤などの時間を短縮できることで、時間の有効活用が可能となるのがメリットだ。テレワークを前提とした就業体制の抜本的な見直しを断行することで、より実効的な労務改革につながると考えるが、いかがだろうか。(編集部・清水直樹)