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日本郵船荷動き予測、原油輸入東南・南アジア急増

2021年11月8日 (月)

(出所:日本郵船)

ロジスティクス日本郵船は8日、海上荷動きと船腹需給の見通しを明らかにした。ドライバルク貨物のけん引役はこれまでの鉄鉱石や石炭からマイナーバルクに変わる。原油輸入は中国以外のアジア新興国が牽引する。

ドライバルクについては、2010年から20年までの平均伸び率実績と20年から30年までの平均伸び率の推計と比較。鉄鉱石は4.3%からマイナス0.7%、石炭は2.3%からマイナス1.7%に落ち込む一方で、マイナーバルクは2.2%から2.8%に増加する。原油はマイナス0.2%から1.7%のプラスに転じる。

24年までの船腹需給見通しは、鉄鉱石が22年にマイナスに転じて減少が続く。石炭も原料炭と一般炭ともに右肩下がりとなる。鋼材やセメント、非鉄金属鉱石などのマイナーバルクが年々増加幅を広げていくのとは対照的だ。

原油輸入はインドなど東南・南アジア諸国を中心に30年まで高いペースで増加を続ける。20年から30年までにインドは年平均伸び率が5.9%、その他アジア(インド、中国、日本、韓国除く)が5.3%と、他地域と比べても際立って高い。欧州や日本はこの10年間で輸入を減らしていく。米国は、競争力の高いメキシコ湾岸の石油精製施設が輸入原油を使い続けることから輸入は底堅く推移する。

原油輸出は、米国からの輸出増加が世界の原油貿易拡大を牽引し、ブラジルも海底油田からの輸出が好調。中東は現在のOPECプラスの協調減産終了後に輸出量が回復する。

船腹供給は、鉄鉱石や石炭を輸送する大型のケープサイズとパナマ運河を通過可能なパナマックスともに、好調な海運市況を受けた解体船舶の減少と、受注残の低下を受けた建造数の減少が並行する形となるが、全体としてはペースが鈍化するもの隻数は増加傾向にある。