ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

ヤマトHD、EC関連取扱増で通期予想を上方修正

2021年11月12日 (金)

(出所:ヤマトホールディングス)

財務・人事ヤマトホールディングス(HD)は12日、2022年3月期の通期連結業績予想を上方修正すると発表した。ことし8月12日公表の前回予想数値について、営業収益を1兆7650億円から1兆7900億円に、経常利益を980億円から1000億円に、親会社株主に帰属する当期純利益を540億円から550億円にそれぞれ引き上げた。営業利益については、950億円のまま据え置いた。

第2四半期累計期間(連結)において、成長が加速するEC(電子商取引)領域への対応により荷物の取扱数量が増加したほか、物流最適化にも注力した。利益面では、経営資源の最適配置によるコストの適正化を進め営業費用を抑制したほか、ベンチャーキャピタルファンドへの出資金に関する投資事業組合の運用益として営業外収益に40億円を計上したことなどがプラス要因となった。こうした状況を踏まえて、通期の業績も予想を上回ると判断した。

12日発表した2022年3月期第2四半期累計連結決算は、営業収益が前年同期比7.4%増の8654億7000万円、営業利益が同17.7%増の316億9000万円、経常利益が同32.2%増の369億2100万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同3.1%増の146億3100万円だった。成長が加速するEC(電子商取引)領域への対応により荷物の取扱数量が増加したことや、顧客の物流最適化に注力した。

第2四半期累計期間の取扱数は、宅配便事業(宅急便・宅急便コンパクト・EAZY・ネコポス)が前年同期比10.9%増の11億200万個、クロネコDM便が同3.7%増の4億1200万冊だった。

宅急便をはじめとする高品質な小口輸送サービスを提供するリテール部門は、多様化するニーズに応じた最適な荷物の配送に取り組むとともに、法人部門と連携して小規模事業者様からの荷物獲得に注力。前期急増したEC(電子商取引)事業者様からの荷物は法人部門にシフトした。燃料単価の上昇や取扱数量増加に伴う輸送費用が増加した。

法人部門は、成長が続くEC領域で購入や配送、受け取りの利便性と安全性を向上させる「EAZY」の拡販を推進。大手EC事業者と連携し、オンラインショッピングモールに出店するEC事業者の物流最適化に向けて、受注から出荷・配送まで運営に業務の全部または一部機能を代行するサービスの拡販とさらなる利便性の向上に取り組んだ。需要が拡大する越境ECにおいては、輸入通関にかかわるシステムと国内配送ネットワークを円滑に連携。配送までのリードタイム短縮を実現する取り組みを推進した。