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岡崎通運が熱田運送の事業継承、共通項は「自動車」

2021年11月26日 (金)

(出所:岡崎通運)

M&A岡崎通運(愛知県岡崎市)は26日、熱田運送(名古屋市熱田区)の事業を継承すると発表した。

熱田運送は1951年に創業。大手鋼材商社の販売物流に従事してきた。熱田運送のオーナーは、将来に向けた事業の成長性の観点から事業継承を決断。取引関係のあった岡崎通運に継承先として白羽の矢を立てた。

岡崎通運は、熱田運送のこれまでの事業運営方針に賛同し、事業継承を受諾。引き続き、既存顧客へのサービス維持を図ることで合意した。

東海地方を地盤とする岡崎通運は、自動車部品物流を主力事業に運送事業を展開。顧客のサプライチェーン整備に貢献してきた。熱田運送の鋼材輸送業務が自動車用が中心であることから、岡崎通運は事業の親和性が高いと判断した。

岡崎通運は、熱田運送の顧客に対するサービスレベルを維持するとともに、サプライチェーンマネジネントサービスの拡充を実現していく。

「自動車」という共通項で実現した事業継承

自動車関連資材の輸送という共通点が、円滑な事業継承を実現した。愛知県の岡崎通運が、同じく名古屋市の熱田運送の事業を継承した。自動車産業を支える関連資材の物流を支えた両社は今後、一つの企業としてこれまでの業務を継続・強化していく。まさに、事業継承の成功例と言えるだろう。

(イメージ)

物流業界における事業継承は、各地で課題になっている。特に地場の運送企業は、地域の産業インフラとしての機能を長きにわたって果たしてきたケースも少なくない。オーナーや従業員の高齢化が進み、引き継ぐ若い世代はもういない。やむなく廃業に踏み切る苦渋の選択を余儀なくされる事例も増えてきている。

今回の事業継承は、自動車産業という今後も一定の成長性を見込める基幹産業がある土地柄だからこそ、成功したとも言える。もちろん、両社が相互の企業理念を理解し賛同したことが最大の要因であることは、もはや言うまでもないだろう。

継承した側の岡崎通運は、事業基盤を拡大する好機と捉えて、熱田運送の遺伝子を受け継ぎながら成長戦略を掲げて実現してほしい。(編集部・清水直樹)