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商船三井など、AI物体認識で航行見張り業務支援へ

2021年12月20日 (月)

ロジスティクス商船三井と船舶関連機器メーカーのJRCS(山口県下関市)は17日、AI(人工知能)による物体認識技術を活用した、航行中の見張り業務支援システムの実用化を検討すると発表した。

船舶の安全運航については、乗組員の見張りによる安全確保が重要な要素となる。一方で、レーダーなど既存の航海計器では感知できない漁船などの小型船舶やブイ、漂流物なども多く存在しており、乗組員は常に緊張状態のなかで見張り業務に就いているのが実情だ。

商船三井とJRCSは、乗組員の心理的負担の軽減とさらなる安全性の向上を図るため、JRCSが開発した、カメラ画像を用いたAI物体認識技術の見張り業務への活用について、実現の可能性を調査することとした。

JRCSが独自開発した「infoceanus command」(インフォシアナス・コマンド)を商船三井の提供する船舶に搭載。既存の航海計器で感知できない物標などを含む、航海中における物体認識の技術的な検証や操船支援に対する有効性を検証する。

■「infoceanus command」紹介動画

今回の検証では、乗組員の心理的負担が特に大きい夜間や視認性の低い環境における有効性を確認するとともに、自律運航の「認知」の部分にも活用できるよう、他船の位置や進行方向、速力と自船からの距離の推定も行う。

商船三井とJRCSは、このたびの検証結果を製品開発に反映させることで、さらなる操船支援や船舶の安全運航を支援する取り組みを推進していく。

▲商船三井の自律運航への取組み(出所:商船三井)