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ラピュタロボ、ベンチャー表彰で「特別賞」に選出

2021年12月20日 (月)

認証・表彰ラピュタロボティクス(東京都江東区)は20日、「Japan Venture Awards (ジャパン・ベンチャー・アワード、JVA)2021」で、Gajan Mohanarajah・代表取締役CEO(最高経営責任者)とArudchelvan Krishnamoorthy・共同創設者兼CFO(最高財務責任者)が「JVA審査委員会特別賞」を受賞したと発表した。

JVAは中小企業基盤整備機構が主催。革新的で潜在能力の高い事業や、社会的課題の解決に貢献する取り組みを行う経営者をたたえている。2000年の初開催以来、313人のベンチャー経営者等が受賞し、それぞれの事業とともに日本を支えるリーダーへと成長している。次なるリーダーとして果敢に挑戦する起業家をロールモデルとして広く紹介することで、創業機運を高めるとともに起業の促進を図っている。

▲表彰式の様子(出所:ラピュタロボティクス)

ラピュタロボティクスは、「ロボットを便利で身近に」をビジョンに掲げる。チューリッヒ工科大学からのスピンオフとして創業したロボットプラットフォーム開発会社として2014年に創業。世界最先端の制御技術と人工知能技術を活用した次世代クラウドロボティクス・プラットフォーム「rapyuta.io」(ラピュタ・アイオー)の開発をはじめ、協働型ピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR」などのソリューションの提供を通し、ロジスティクス領域に注力した現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)化による業務効率化を支えてきた。

12月17日に東京都内で開かれた表彰式で、受賞にあたり、Arudchelvan Krishnamoorthy・共同創設者兼CFOは「長年構想していたクラウドロボティクスの世界観が実現出来つつあることをうれしく思う。これからもロボティクスを通じて、働き手不足などの解決に貢献したい」と話した。

今回の受賞は、物流ロボが「持続的な社会を支える」存在と位置付けられている事実を象徴している

物流現場におけるDX化を推進する旗手として、業界で知名度を急速に高めているラピュタロボティクスが、JVA2021で審査委員会特別賞に選ばれた。今回の受賞は、物流向けロボットの社会に果たす役割の大きさが認知されるようになってきたことを裏付けていると実感する。

物流という領域が、以前のように産業の「裏方」としてしか捉えられていなかったとしたら、今回の受賞は実現しただろうか。産業界における主要ではない一部を最適化するロボット技術に、ベンチャーと言えどもここまで注目を集めることができたかと言えば、正直なところ難しかったのではないだろうか。

東日本大震災をはじめとする自然災害時の持続的な物資輸送、EC(電子商取引)サービスの普及による消費スタイルの多様化、さらに新型コロナウイルス禍に伴う宅配ニーズの急速な定着などを契機として、物流という機能が社会に不可欠なインフラであることを国民に強く印象付けられることとなった。

もはや物流は産業界の裏方を担う存在から脱却し、「経営戦略そのもの」として認識されるに至った今、その現場機能をより高めるロボットは、持続的な社会の創出に欠かせない存在であると言ってよい。ラピュタロボティクスの今回の受賞は、こうした意味で非常に意義深い出来事だと考えている。(編集部・清水直樹)