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伊藤忠、英の廃タイヤ回収・加工会社の全株式取得

2021年12月20日 (月)

M&A伊藤忠商事は20日、廃タイヤ回収・加工事業大手の英Murfitts Groupの全株式を取得することで合意したと発表した。今回の株式取得は、伊藤忠商事の事業投資先でタイヤ小売・卸事業を展開する英EUROPEAN TYPE ENTERRISE LIMITED(ETEL)を通じて行う。

Murfittsは英国で年間2億万本の廃タイヤを回収・加工するほか、リサイクル製品を販売する。競技場や歩道、遊技場の表面、カーペットの下敷きやアスファルトの代替といったさまざまな用途に使われ、世界中へと輸出されている。伊藤忠商事が、英国全土にタイヤの物流網を抱えるMurfittsの株式を取得する背景には、回収・加工ビジネスのさらなる拡大を図る狙いがある。

▲廃タイヤをリサイクルして作られた粒状ゴム素材(伊藤忠商事)

Murfittsはこのほか、粒状にした廃タイヤを真空状態下で熱することで、二酸化炭素を排出することなくカーボンブラック(CB)・再生燃料といった付加価値の高い再生原料へ分解する、独自の熱分解技術の開発・商業化にも取り組んでいる。廃タイヤから熱分解により生成した再生CBを使用することで、タイヤ製造におけるサステナビリティを促進する。

伊藤忠商事は、Murfittsを傘下に置くことで、廃タイヤ回収による廃棄物の削減だけでなく、リサイクル製品の販売を通したタイヤサプライチェーン全体のサステナビリティの実現を目指す。