ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

日新など3社、医薬品国際輸送を共同実験

2022年1月4日 (火)

メディカル新型コロナウイルスの感染拡大に伴いワクチンの国際輸送ニーズが見込まれるなか、日新(横浜市中区)はスズケン(名古屋市東区)グループとパナソニックと共同で、医薬品の国際輸送を想定した実証実験を行ったと発表した。パナソニック製の超低温保冷容器で国内のワクチン輸送で使用実績がある「VIXELL」(ビクセル)や、日新が導入を検討中のIoT機器を活用。3社の持つ強みや知見を結集させ、容器内の厳格な温度管理や輸送状態の可視化、通関手続きといった国際物流での課題を検証した。

輸送実験は2021年9月14-22日の9日間にわたって実施。スイス・バーゼルを出発し、ベルギー、ドイツを経由して日本にあるスズケンの阪神物流センター(神戸市北区)へ医薬品を格納した容器2台(Lサイズ、Sサイズ)を運んだ。容器内はドライアイスでマイナス60度以下に設定したほか、位置情報が把握できるIoT機材とセンサータグを取り付け、トラックと飛行機を使用した。

▲輸送フロー(クリックで拡大、出所:日新)

実験の結果について、ビクセル内はLサイズが19日間と3時間、Sサイズが9日間と12時間にわたって、それぞれマイナス60度を保持できたことを確認。スイス、ベルギー、日本の3か国で、センサー情報(温度、湿度、照度、傾き、衝撃度、充電残量)をインターネット管理画面で確認することもできた。税関に事前相談したことで、ビクセルを「通い容器」として申告し、免税で輸入許可を得られた。

今後について、日新は「3社の実証実験で得た知見やノウハウを活かし、医薬品業界のニーズに沿った国際物流の実現に向けて取り組む」としている。実験結果の詳細は、パナソニックの「ビクセル」HP上で1月上旬に公開する予定。