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伊藤忠、スーパーのAI電力管理実証に配送車両追加

2022年1月13日 (木)

環境・CSR伊藤忠商事は13日、スーパーマーケット店舗でAIを用いて電力を管理する取り組みについて、店舗を拠点としたネットスーパー用の宅配車両を電動トラックに置き換えることで、効率的な電力管理の実証を商用EVにも広げると発表した。

アイ・グリッド・ソリューションズ(東京都千代田区)と連携し、ヤオコー川越的場店(埼玉県川越市)で進めている分散型電源プラットフォーム構築実証の第2弾として、1月からAIを用いた設備のエネルギーマネジメントの対象にネットスーパー配送車両を追加する。

具体的には、配送時間外は「V2H充放電器」を通じてプラットフォームにEVを常時接続し、施設の電力使用状況・太陽光発電システムの発電量状況・蓄電池の充電残量・EVの充電残量・配送スケジュールなどの要素を踏まえた上で、AIがEVの最適充放電を制御する。

電力ピーク時を避けた充電、ピーク時を狙った放電をAIが効果的に判断し、太陽光発電と蓄電池のみの場合と比べてピークカット効果を高め、電力料金の削減につなげる。併せて、既設の蓄電池だけでなくEVもBCP電力供給源として活用し、施設の災害対応力を高める。

▲実証実験イメージ(出所:伊藤忠商事)

車両はAZAPAが開発した「軽自動車規格のコンバージョンEV」を使用する。AZAPAの車両制御・通信システムから得られる情報を活用するほか、車両には中古EV電池を搭載し、走行性能を含め評価。すでに事例構築済みの定置型蓄電池用リユースに加え、短距離配送用リユース事例も作ることで、EV電池の循環利用促進につなげたい考え。

同社は「貨物運送用の軽商用車は国内に800万台あるが、物流での脱炭素化の流れを背景に、今後はEV化が徐々に進むと見込まれている。一方で、適切なタイミングで充電を行わないと予期せぬ電力ピークの発生が懸念され、そのため企業は商用EV導入に当たり、包括的なエネルギーマネジネントも考えていく必要があり、統合制御ソリューションへのニーズが高まっている」と、この取り組みを進める意義を説明。

まずは比較的早期の普及が見込まれる小型商用EVを用いたラストワンマイル物流分野で、車両運用と効果的なエネルギーマネジメントで経済性高め、これを実例として分散型電源プラットフォームサービスの機能拡大を進める。