調査・データ市場情報販売のグローバルインフォメーション(川崎市麻生区)が13日発表した化学品物流市場に関する調査レポートによると、世界の化学物流の市場規模は2021年から2027年までに、年平均成長率(CARG)は5.5%が見込まれる。
地域別でみると、国際的にアジア太平洋地域が最大のマーケットで「世界で最も急速に成長している化学品物流市場」と紹介。次に北米、欧州、その他の地域が続くとした。アジア太平洋地域の市場が伸長している主な理由については、化学品物流の複合輸送の利用が増加している点を挙げた。
レポートでは、化学業界は大半の生産地と消費地が分かれているため、物流が担う役割の重要性を強調している。一方で、化学品の物流には燃焼や汚染、腐敗といった安全上対策が不可欠で、取り扱いや輸送、保管に注意が必要と指摘。このため、各化学メーカーは物流業者に対して、安全性やセキュリティに関する十分な対応が求められる現状にも言及している。
その上で、世界的に工業用と商業用の化学製品に対するニーズの高まりや、急速な工業化進展がマーケット拡大に寄与していると指摘。化学品物流業者に対して、健康や環境などに配慮した「レスポンシブル・ケア」の認証を受けるよう提言している。