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軽油店頭価格は150.6円、4週連続で値上がり

2022年2月2日 (水)

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調査・データ資源エネルギー庁が2日発表した石油製品の店頭現金小売価格調査によると、1月31日時点の軽油価格は150.6円で、前週から0.6円値上がりした。国際的な原油価格の高騰で円安が加速し、ことしに入って4週連続で値を上げ、13年3か月ぶりの高値水準となっている。

39都府県で値上がりとなり、京都府で1.9円、青森県と神奈川県で1.8円それぞれ値上がりするなど、店頭価格は上昇局面が続いている。

政府は1月25日、軽油などを対象とした燃油価格抑制策を発動。高騰抑制のための補助金制度を実施して店頭価格を下げる取り組みを始めた。とはいえ、店頭での目立った値下げの動きは乏しい。

ことし3月までの暫定的な措置ではあるが、石油元売り各社への1リットルあたり3.4円の補助金支給でどこまで物流業者のコスト削減につながるかは、未だ見通すのが難しい状況だ。

政府の「補助金」政策も効果は不発か、中長期的な「税制見直し」「脱炭素化推進」が最適解か

政府による燃油高騰抑制策の発動から1週間余りが経過した。東京や大阪のガソリンスタンド競合激戦区をめぐってみても、軽油価格は発動前と変わらないかむしろ上昇している店舗もあり、政府の思惑の通りには進んでいないのが実感だ。

なぜか。今回の施策があくまで店頭価格の上昇抑制を目的としている点にあるからだ。本質的に「値下げを促進する」のではなく、「急激な値上げを抑える」ための補助金拠出なのだ。政府が値下げにまで言及することで、市場価格の統制につながるとの批判をかわす意図もあるのだろう。

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むしろ、ガソリンスタンドを経営する立場から言えば、発動前の価格上昇局面で逃した利益を取り戻したいとの思いから、一定水準以上の値下げには消極的なのが本音だ。今後、さらに上値を追う展開になることも想定される現状で一気に値下げに踏み切れば、集客力を上がっても損益分岐点を下回り赤字を垂れ流す事態になりかねないためだ。

円相場もここ5年間で最大級の円安局面を迎えているなど、原油相場の下落材料は見当たらない。ロシアとウクライナの緊迫した政情も、それに拍車をかけそうだ。新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大も先行きが見えないなかで、現在のカードでは原油価格高騰に対応する術がないのが現実だ。

ここは、ガソリンを含めた税制をめぐるあり方の議論を提示するとともに、軽油の消費を中長期的に減らしていく脱炭素化の取り組みを加速することが、物流業界の当面の対応策になる。それが現時点での最適解だ。(編集部・清水直樹)

■都道府県別の軽油価格(単位:円)
地域1月24日1月31日増減
北海道151.4151.1-0.3
青森147.9149.71.8
岩手146.6146.80.2
宮城145.7146.81.1
秋田148.6149.10.5
山形157.6158.20.6
福島149.3149.0-0.3
茨城145.4146.20.8
栃木146.9147.20.3
群馬150.9151.50.6
埼玉144.0144.40.4
千葉146.4146.80.4
東京152.9153.80.9
神奈川143.4145.21.8
新潟151.6151.90.3
長野159.0159.50.5
山梨151.4151.60.2
静岡149.3150.20.9
愛知148.6148.3-0.3
岐阜150.0151.01.0
三重148.8149.81.0
富山152.9152.7-0.2
石川145.2146.71.5
福井148.6148.5-0.1
滋賀152.4152.80.4
京都151.2153.11.9
奈良146.8147.70.9
大阪148.9150.21.3
兵庫144.8145.50.7
和歌山146.8147.30.5
鳥取155.6157.11.5
島根153.2152.8-0.4
岡山146.1146.30.2
広島151.8152.70.9
山口148.1149.61.5
徳島146.0144.6-1.4
香川150.2151.31.1
愛媛148.5149.10.6
高知154.7156.11.4
福岡147.2148.71.5
佐賀152.5152.3-0.2
長崎158.6159.50.9
熊本146.9147.60.7
大分152.5153.61.1
宮崎152.8152.90.1
鹿児島158.5159.20.7
沖縄153.9154.20.3
全国150.0150.60.6