環境・CSRSOMPOリスクマネジメント(東京都新宿区)とマクニカ(横浜市港北区)は2月から、AI(人工知能)による映像解析を使ったフォークリフトの運転診断サービスを協業で始めた。AIの活用でサービス提供までの時間を大幅に短縮。物流企業や製造業の物流部門、フォークリフトを使用する企業で働くドライバーを対象に、早期に労災事故や貨物の物的損傷を防止するため、安全運転の教育や指導にデータとして活用してもらう狙いだ。
SOMPOリスクはこれまで、人による映像分析でフォークリフト向けに運転診断サービスを提供してきた。今後はマクニカのAI専門組織が映像を解析し、危険な運転映像の検出などを行うことで、サービス提供までの時間を従来の2か月から最大で3日に短縮した。マクニカの映像の検出精度は97%以上といい、新サービスでは映像の中から急な発進や加速、旋回といった危険運転にかかわるデータを抽出。診断結果をレポート化して企業に提出する。
フォークリフトの有効な事故対策としては、ドライブレコーダーの映像解析と、それを活用した運転手への安全教育が挙げられる。一方で、物流業界では人手不足を理由に、時間をかけた十分な映像の分析ができず指導が不十分との指摘もある。実際、近年はフォークリフトの死傷事故数は減少傾向だが、2020年度の死亡事故は対前年比で2.6倍に増加。重篤化する傾向にあり、トラックと乗用車に次いで事故率が高いという。