国際ロシアによるウクライナ侵攻で、小麦やトウモロコシといった穀物の輸出国であるウクライナに寄港する貨物船が、被弾したり立ち往生したりしている。穀物輸送に影響を与えそうだ。
日鮮海運グループ(愛媛県今治市)の日興汽船が保有する貨物船「ナムラ・クイーン」が25日、ウクライナ南部オデッサ州の港近くで砲撃され、損傷した。現地報道などが明らかにした。関係者によると、ウクライナから積んだ穀物が入っているという。
貨物船はパナマ船籍で、船長と船員ら200人が乗っていた。トウモロコシを積むためにウクライナ南部のオデッサ沖付近を航行中、ロシア軍のミサイル攻撃を受けて出火したという。
フィリピン人の男性船員1人が負傷したが、命に別状はないという。
ウクライナ国防省が公開した写真によると、船体が損傷し、大きな黒煙が上がっていることが確認できる。
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日本郵船は、グループ会社が運航する貨物船3隻が、黒海のウクライナ周辺の港で立ち往生していると明らかにした。
28日11時30分現在も、ウクライナ軍が同国の商業港を閉鎖しているため出港が難しい状態。同社は「許可がおり次第、出港はしたいが、現在は情報収集している段階」としている。