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商船三井、ベトナムで海洋ごみ収集システム構築へ

2022年4月14日 (木)

(イメージ)

環境・CSR商船三井は13日、提案した「海洋環境保全のための海洋ごみ回収船による(海洋プラスチックごみ等の)海洋ごみ収集システムの構築に係る案件化調査」が、国際協力機構(JICA)の中小企業・SDGsビジネス支援事業に採択されたと発表した。

海洋ごみ問題が深刻化しているベトナムにおける2023年頃の導入に向けて、ベトナム政府関係省庁との連携も視野にビジネスモデルの検証や回収船用の現地造船所の精査などの調査を進めていく。

世界的な課題となっている海洋ごみの7割がプラスチック類とされるなど、海洋プラスチックごみ問題は深刻さを増している。50年にはプラスチックごみの量が魚の量を超える可能性も指摘されているほどだ。なかでも流通量の多くを占めるのが東南アジアで、うちベトナムの流出量が占める割合は、国連環境計画によると毎年70万トンと全世界の6%を占め、中国、インドネシア、フィリピンに次ぐ量となっている。

ベトナムでは急速な都市化に伴いごみの量が増加していることに加えて、南北に長い海岸線を有する地形的特徴から海洋ごみが流入しやすいことも、この問題の深刻化に拍車をかけている。一方で、海洋ごみの回収方法は人海戦術による非効率さが課題で、ごみの大幅な削減にはつながっていない。

商船三井はこのたび採択された案件化調査を通じて、海洋ごみ回収専用船を用いた現地に適合した海洋ごみ回収システム案を策定する。

(出所:商船三井)

プラスチックごみは自然界では分解されにくく半永久的に海中に残留するため、海洋汚染や水質汚染、海洋生物への影響、景観破壊による観光業への影響などが懸念されている。商船三井は、一般商船にマイクロプラスチック回収装置を搭載することでマイクロプラスチックを回収してエネルギー転換・活用する検討も進めている。

商船三井は、海洋ごみ回収に関する当社知見やグループのネットワークを生かして、ベトナムだけでなく東南アジア域における他エリアにも対象を広げることにより、世界の海洋環境保全に向け取り組んでいく。