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米VCが「Qコマース」宅配スーパーのOniGOに出資

2022年4月20日 (水)

フードベンチャーキャピタルのPlug and Play Japan(プラグ・アンド・プレイ・ジャパン、東京都渋谷区)は20日、10分で食料品や日用品を届ける宅配スーパーを運営するOniGO(オニゴー、東京都目黒区)に出資したと発表した。

(イメージ)

プラグ・アンド・プレイ・ジャパンは、米シリコンバレーを拠点にベンチャーキャピタル(VC)や起業支援ビジネスを展開するプラグ・アンド・プレイの日本法人。注文から30分程度で配達できる仕組みを備えたEC(電子商取引)サービスを指す「Qコマース」市場を展開するオニゴーのビジネス理念に賛同し、出資を決めた。

新型コロナウイルス感染拡大による宅配需要の高まりなどを背景に、消費スタイルの多様化が急速に進むなかで、商品購入の場が店舗からECへの移行する動きが顕著になっている。国内でもECサービスへの傾斜に拍車がかかるとともに、ユーザーの時短ニーズにも対応した「即配サービス」への期待が高まっている。こうした動きに対応し、欧米で市場が拡大してきているQコマースビジネスの国内展開を目指して、2021年6月に誕生したのがオニゴーだ。

オニゴーは「人々の大切な時間を創り出す」をミッションに掲げ、子育てや病気などで日常の買い物に負担を感じている消費者を支援するために、食料品から日用品までを10分で届ける新しいネットスーパー「OniGO」を提供。プラグ・アンド・プレイ・ジャパンは、EC市場規模の大きさやQコマースの急速な成長可能性、オニゴーが掲げるミッションに共感し今回の出資を決定した。

国内EC市場の成熟度を高める契機となる、米ベンチャーキャピタルによるOniGOへの出資

国内でもようやくその存在が広まり始めたQコマース。欧米と比べてまだ市場の広がりは途上にあるものの、ECサービスの普及スピードを考慮すれば、遠くないうちに消費者の心をつかむのは間違いないだろう。

ECサービスが成熟するにしたがって、参入プレーヤーがそれぞれの強みを発揮することで、消費者は自らのスタイルにより適したサービスを選択できるようになる。Qコマースは短時間での配達というステージで、こうしたECサービスの一翼を担う役割を果たすことで、市場ニーズに対応していく。そこに賛同したのが、プラグ・アンド・プレイ・ジャパンだった。

(出所:OniGO)

オニゴーは、フードデリバリーの枠を超えて、スーパーマーケットと同水準の商品ラインアップを短時間で配達することにより、多様化が進む消費者の在宅購買ニーズを満足させるビジネスモデルを構築。圧倒的な差別化を図ろうとしている。ECビジネスの強みに対する理解の深さと国内における市場けん引力は、米国で高い存在感を誇るプラグ・アンド・プレイの目に留まるに十分だったようだ。

オニゴーのようなスタートアップは、ECのような新興ビジネスでの開拓力が非常に高く、親和性も強い。EC市場における成熟度をさらに高めるためにも、こうしたエッジの効いたオニゴーのような新進企業の存在は欠かせない。(編集部・清水直樹)