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国交省、貨物列車脱線でJR貨物とJR西に改善措置

2022年4月28日 (木)

行政・団体国土交通省は28日、広島市安芸区のJR山陽線で2021年12月28日夜に発生した貨物列車の脱線事故について、日本貨物鉄道(JR貨物)と西日本旅客鉄道(JR西日本)に対して改善措置を講じるよう指示したと発表した。4月27日付。

国交省は脱線事故を受けて、JR貨物に対してことし1月24日から3日間、保安監査を実施。また列車脱線時の指令における対応状況を確認するため、JR西日本に対しても、1月25日に保安監査を実施した。その結果、改善を要する事項が認められた

(イメージ)

JR貨物に対しては、コンテナの積荷の偏りを防止するため「コンテナへの積付けガイドライン」を積み込み作業を実施した会社にも周知することを求めた。改正後の貨物運送約款については、その内容を利用運送事業者などが着実に実施することを担保するような効果的な運用方法を検討するよう指示した。

そのほか、偏積が確認された際の原因究明と再発防止策の実施▽コンテナ内部を撮影した写真などを用いた偏積のサンプル調査では実際に積み込みを行ったコンテナと写真等とを突き合わせるなど効果的な調査を行うこと▽ポータブル重量計や輪重測定装置の増備などハード対策について、それぞれを組み合わせるなどより効果的な整備方策を検討するとともに整備計画を策定すること、を求めた。

さらに列車脱線時の運転取り扱いについて、運転士が他の列車を停止させる列車防護の措置を講じていなかったことから、教育と訓練の方法を改めて検証するよう指示した。

JR西日本に対しては、指令員が列車無線が使用できない箇所を把握しておらず、機関車の運転士との連絡に支障を来していたことから、無線装置の使用できない個所を調査し必要な措置を講じるよう指示した。

脱線事故は、山陽線の瀬野駅・八本松駅間の上り線で発生。広島貨物ターミナル駅(広島市南区)発東京貨物ターミナル駅(東京都品川区)行き貨物列車で、コンテナ貨車23両と牽引機関車1両、後押し機関車1両の25両編成だった。

運転士が非常ブレーキの動作で停止したため車両を確認したところ、機関車を含め前から12両目の貨車1両の進行方向前側の2軸4輪が左側に脱線しているのを発見した。脱線によるけが人はなかった。