ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

センコーが東京湾岸に新センター、輸配送網を拡充

2022年5月10日 (火)

拠点・施設センコー(大阪市北区)は10日、「葛西第2PDセンター」(東京都江戸川区)を5月9日付で開設したと発表した。物流施設「ヒューリックロジスティクス葛西」内に新設。東京湾岸エリアにおける物流網の拡充が狙い。

センコーが入居するヒューリックロジスティクス葛西は、ヒューリック(同中央区)が自社で初めて手がける物流施設として完成。センコーが全フロアを賃借して新センターを開設した。

▲葛西第2PDセンターの外観(出所:センコーグループホールディングス)

最大の特徴は、東京都心をはじめとする首都圏各地への高いアクセス性だ。首都高速道路「葛西出入口」へ700メートルと至近で、東京港や羽田空港への輸配送が容易な立地だ。

さらに、東京都内のベッドタウンとして人口が多いエリアに立地していることから、安定した従業員確保の観点からも優位性が高い。施設面では、共用施設のカフェテリアやエントランスラウンジを24時間利用できるなど、就労環境にも配慮している。江戸川区の地域防災拠点に指定された水害リスクの少ない土地に立地しているのも強みだ。

センコーは、東京都内に保有する「葛西PDセンター」(同江戸川区)や「平和島PDセンター」(同大田区)が満床状態にあることから、新センターの開設を模索していた。千葉湾岸エリアに保有する「舞浜PDセンター」(千葉県浦安市)や「市川塩浜営業所」(同県市川市)とも連携することで、物量の波動に合わせた人材の相互応援体制を整えるなど効率的なセンター運営を図りながら、旺盛な顧客ニーズに対応していく。

■葛西第2PDセンターの概要
所在地:東京都江戸川区臨海町3-6-5 「ヒューリックロジスティクス葛西」内
敷地面積:1万9521平方メートル
延床面積:1万9923平方メートル
倉庫面積:1万9510平方メートル
構造:鉄骨造、地上5階建
設備:バース10台分、ドックレベラー2基、太陽光パネル

未利用地もありポテンシャルを失っていない「東京湾岸エリア」

国内における物流倉庫の集積地と言えば、まず思い浮かぶのが東京湾岸エリアだ。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)や東京外環自動車道(外環道)など、いわゆる首都圏の内陸部における物流施設開発が活発になっていると言えども、やはり物流ビジネスの主役は輸出入の表舞台でもある東京湾岸だ。センコーの取り組みは、こうした印象を裏付けるものだ。

東京都の最東端である江戸川区は、湾岸部を中心に物流施設の開発が進んでいるエリアだ。江戸川区は、東京地下鉄(東京メトロ)東西線沿線の住宅地を南下すると、物流倉庫などが広がる産業立地に景観が様変わりする。未だに空き地になっている区画もあり、今後の物流施設開発の余地があるエリアであることがわかる。

東京湾岸と聞くと、岸壁に接するエリアを想像しがちだ。しかし少し内陸に進めば、まだ開発用地が意外に残されている場所もある。江戸川区もその一例だ。

自治体が独自に土地利用のルールを定めているケースもあるなど一概に言えないまでも、東京湾岸における物流施設の開発はまだ進む可能性があるということだ。交通利便性では圧倒的に優位性の高いこのエリアは、まだポテンシャルは全く失っていない。(編集部・清水直樹)