サービス・商品バーチャル・リアリティー(仮想現実)技術を手がける理経(東京都新宿区)は10日、産業用ドローン開発のACSL(同江戸川区)、VFR(同渋谷区)と共同で、仮想空間でドローンの操縦を訓練するシミュレーターを開発したと発表した。まずベータ版の提供を開始し、2023年1月の正式発売を目指す。実物と同様の機体性能やユーザーインターフェースを再現し、カメラ撮影などが訓練できるという。
シミュレーターでは、ACSLが開発した小型空撮ドローン「SOTEN」(蒼天)の操縦訓練用だ。同機をバーチャル上に再現し、点検や捜索、災害監視など多様な状況を想定して、実物と同じユーザーインターフェースで訓練できる。重大な災害や事故の一歩手前の「ヒヤリハット」に対応する訓練も可能。緊急着陸など、操縦者が身につけるべき判断力を養う要素についても、開発を進めているという。
これまで「もっと気軽に操縦訓練がしたい」などの要望や、「実務を模した環境での訓練ができれば、実地訓練の時間短縮ができる」といった課題があった。
23年1月の正式発売の後は、メタバース空間の中にドローン訓練スペースを展開し、複数人が同一空間で訓練できる仕組みづくりも検討していく方針という。