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NXアメリカ、西岸避けた北米・アジア輸送経路開拓

2022年6月30日 (木)

国際NIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)は6月30日、グループのNXアメリカが米国やカナダからメキシコ経由でアジアへ向けた新たな複合輸送サービス「US EXPORT SERVICE Via MEXICO」(ユーエス・エクスポート・サービス・ビア・メキシコ、U.S.E.ME)を開始したと発表した。

北米西岸では港湾の混雑が依然として収束しておらず、スケジュールの変更や遅延が常態化。新たなスペース確保が難しいことに加え、積み替えする鉄道ターミナルの混雑やトレーラー用ドライバーの不足など、米国内での物流は混乱している。さらに、北米西岸労使交渉による港湾ストライキ発生のリスクも懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いている。

NXアメリカは、米国に係るサプライチェーンを維持するためのBCP(事業継続計画)対応サービスとして、米国西海岸の港湾混雑を回避しスペースを確保しやすいメキシコを経由した新たな複合輸送サービスのU.S.E.MEを開発。安定したリードタイムで確実な輸送を提供するとともに、メキシコで自社運営倉庫を運営する強みも生かし、NXグループによる高品質な一貫輸送サービスを提供する。

NXグループの日本通運(東京都千代田区)は、北米西岸の港湾混雑を回避するため、日本発でメキシコを経由する北米向けのサービスを2021年8月から展開しているが、今回のU.S.E.MEの開始により日本・北米の双方向でメキシコ経由の輸送サービスを利用できるようにする。

U.S.E.MEは、米国とカナダの各地から陸路でメキシコのサンルイスポトシの自社倉庫までトレーラーで輸送。コンテナへ積み替えて、メキシコのマンサニージョ港から日本などアジア各国の港まで海上輸送する。

▲U.S.E.MEの輸送ルート(出所:NXHD)

米シカゴから横浜港までの所要日数は37日程度で、現状の同じルートを鉄道と陸送を組み合わせた西海岸経由で輸送した場合と比べて数日から十数日の短縮を実現できる。

NXグループは、顧客の課題や要望に合わせて代替となるルート開拓や輸送モード活用を組み合わせたサービスを提供することにより、サプライチェーンの最適化を支援する。