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住友倉庫子会社、孫会社の米海運の全株売却完了

2022年6月30日 (木)

(イメージ)

M&A住友倉庫は6月30日、子会社のJ-WeSco(Jウェスコ、東京都港区)が、その子会社である米海運会社ウエストウッドシッピングラインズの全株式について、シンガポール海運のスワイヤーシッピングの関係会社である米SSPL USへの譲渡を完了したと発表した。

今回の譲渡完了により、ウエストウッドシッピングラインズとその子会社であるウエストウッドシッピングラインズジャパンとウエストウッドシッピングラインズカナダは、2023年3月期第1四半期連結会計期間末をもって、住友倉庫の連結範囲から除外される。

住友倉庫は今回の株式譲渡などで得た資金について、グループの物流事業や不動産事業における成長戦略投資に充てる計画だ。

直接的または間接的に70.65%の株式を保有するJウェスコは、本件株式譲渡の対価として最大譲渡価額1億4500万米ドル(197億円)のうち1億米ドル(136億円)を収受。残額についてはウエストウッドシッピングラインズの22年度決算の確定後に収受する予定だ。

住友倉庫は港湾運送事業の業容拡大を目的に、11年6月にJウェスコを介してウエストウッドシッピングラインズを買収。ウエストウッドシッピングラインズは日中韓と北米北西岸を結ぶ航路で事業を展開し、北米からは林産品、日本からは機械などのプロジェクト貨物、コンテナ貨物を中心に輸送している。

ウエストウッドシッピングラインズは、12年度から15年度までは安定した業績を上げていたが、林産品の輸送数量が減少したことから、近年は北米向けのコンテナ貨物への依存度が高まっていた。当時はコンテナ運賃市況が低迷していたことから、16年以降は海運事業セグメントの収支は赤字に転落していた。

単一航路での運用とコンテナ貨物の取扱比率の増加から、ウエストウッドシッピングラインズの赤字は拡大。住友倉庫は自社が目指す持続的な成長を期す経営方針と相反するとして譲渡の検討を始めていた。

21年度はコンテナ運賃の高騰によりウエストウッドシッピングラインズの業績が回復したが、高すぎる運賃水準は一時的なものと推測。業績がやや改善している現況において、譲渡に最適な時期であると判断。ウエストウッドシッピングラインズの事業が現状通り運営されることを前提として、スワイヤーシッピンググループに譲渡することを決めた。