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住友倉庫、事業不振で孫会社の米海運を売却

2022年4月28日 (木)

(イメージ)

財務・人事住友倉庫は4月28日、子会社のJ-WeSco(Jウェスコ、東京都港区)が、その子会社である米海運会社であるウエストウッドシッピングラインズの株式を、シンガポール海運のスワイヤーシッピングの関係会社である米SSPL USに譲渡すると発表した。

住友倉庫は港湾運送事業の業容拡大を目的に、2011年6月にJウェスコを介してウエストウッドを買収。ウエストウッドは日本・韓国・中国と北米北西岸を結ぶ航路で事業を展開し、北米からは林産品、日本からは機械などのプロジェクト貨物、コンテナ貨物を中心に輸送している。

ウエストウッドは、12年度から15年度までは安定した業績を上げていたが、林産品の輸送数量が減少し、近年は北米向けのコンテナ貨物への依存度が高まっていた。当時はコンテナ運賃市況が低迷していたことから、16年以降は海運事業セグメントの収支は赤字に転じていた。

単一航路での運用とコンテナ貨物の取扱比率の増加から、ウエストウッドの赤字は拡大。住友倉庫は自社が目指す持続的な成長を期す経営方針と相反するとして譲渡の検討を始めていた。21年度はコンテナ運賃の高騰によりウエストウッドの業績が回復したが、高すぎる運賃水準は一時的なものと推測。業績がやや改善している現況において、譲渡に最適な時期であると判断。ウエストウッドの事業が現状通り運営されることを前提として、スワイヤーグループに譲渡することを決めた。