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佐川・JR貨物・JALが自転車輸送で連携、環境負荷減

2022年7月6日 (水)

▲佐川のEVトラック(出所:佐川急便)

ロジスティクス佐川急便と日本貨物鉄道(JR貨物)、日本航空の3社はCO2抑制などの環境負荷軽減策で協力し、自転車のトライアル輸送を行ったと発表した。7月2日に滋賀県守山市で開かれたトライアスロン大会に関する協力で、参加者の自転車を佐川のEVトラック(電気トラック)とJRの貨物列車が運んだ。トラック輸送を部分的に鉄道に切り替えたことで排出するCO2を削減、自転車を梱包する資材に替えて小型コンテナを使ったことで廃棄物を削減した。

このトライアスロン大会は、守山市で開かれた「LAKE BIWA TRIATHLON IN MORIYAMA THE 2nd ANNUAL」(実行委員会主催)。約500人の参加者が琵琶湖を泳ぎ、湖畔を自転車と足で走った。

3社の協力は、開催前の6月26日から7月1日と開催後の同3日から9日に分けて行われ、6日現在も続行中だ。東京都江東区の佐川の営業所に7人の参加者が自転車を持ち込み、日本航空が所有する自転車専用コンテナ「SBCON」(エスビーコン)に収納した上で佐川のEVトラックに搭載。JRの東京貨物ターミナル駅(東京都品川区)まで運び、貨物列車に積み替えて、京都貨物駅(京都市下京区)まで鉄道輸送を行った。京都貨物駅で再び佐川のトラックに積み替え、参加者の宿泊ホテルまで輸送した。現在進行中の復路はこれと逆の手順で輸送を行っている。

輸送に伴うCO2排出量は計45.04キログラムで、EVトラックや鉄道を使わず全てディーゼルトラックで運んだ場合に比べて91.4%の削減になるという。また、繰り返し使えるエスビーコンを用いたことで、通常の段ボールの梱包資材が23-28平方メートル分(畳15畳分)削減できたという。

▲自転車のトライアル輸送イメージ

日本航空の協力は飛行機ではなく、コンテナの貸し出しという形となった。新型コロナウイルス感染症の拡大以降、旅行需要の低迷で、本来自転車ツアー客用に用意していたエスビーコンに余裕ができ、提供できたという。エスビーコンは飛行機搭載用に設計されたコンテナで、1個につき自転車1台を収容する。貨物列車のコンテナにも無事に搭載でき、「コンテナinコンテナ」というユニークな輸送が実現した。日航は「こうした形で紙資源の節約に貢献できたことは喜ばしい」(広報担当者)としている。