
(出所:ルノー・トラック)
国際仏トラックメーカー大手のルノー・トラックは19日、国連世界食糧計画(WFP)や豊田通商などと協力し、西アフリカのガーナに輸送トレーニングセンターを建設すると発表した。食料や医薬品などの救命物資をより効率的に配送できるように人材を育成する。世界初の試みという。
発表によると、同センターは西アフリカ全域の輸送・物流能力を強化するため、輸送に携わる人々に新しい専門知識を与える施設だ。ガーナのアクラで年間最大400人の研修生を対象に、無料の訓練をオンラインや対面で行う。道路輸送や車両管理、温度変化に敏感な荷物の安全な輸送法などを教育する。研修生は、人道支援団体や政府、地元の民間セクターのスタッフなどだ。
同センターの用地はガーナ政府が寄贈。日本政府の資金援助も交え、WFPの国連人道対応局の事業として、今年後半に着工される。
西アフリカでは、今なお多くの市民や子供たちが十分な食糧や医療サービスを受けられないでいる。ルノー・トラックやWFPは、救命物資を送るだけでなく、それらを地域全体で効率的に配送できる人材の育成が必要と判断した。
訓練を受けた人材は、西アフリカの輸送セクターの発展を妨げている課題に取り組むことになる。WFPは「サプライチェーンに関する能力と専門知識の向上が、ひいては西アフリカ全域の脆弱なコミュニティーを助け、WFPの活動も支援することになる」としている。