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トラックの運行管理をデジタル化、ascendのLogiX

2022年8月2日 (火)

(出所:ascend)

サービス・商品物流分野のシステム開発やコンサルタントを手がけるスタートアップ企業、ascend(アセンド、東京都新宿区)は2日、トラック運送事業者向けに運行管理業務をデジタル化する業務ツール「LogiX(ロジックス)」の正式提供を始めると発表した。

発表によると、同ツールはクラウド技術を使ったDX(デジタルトランスフォーメーション)の一つで、転記作業を繰り返すといった従来型の運行管理作業を自動化し、効率化する。これまで「アセンド・ロジ」の名称でベータ版(試作版)を事業者に提供してきた。システムが完成し、正式提供を始めるのに合わせてサービス名を変更し、より多くのトラック運送事業者に利用を呼びかける。

同社の日下瑞貴社長は「運送業界の根本的な課題は荷主との関係をどう改善するかにある」と話す。ロジックスの最大の特徴も、情報の量や品質を改善し、情報を基に荷主との交渉力を高められる点にあるという。

ロジックスでは、大きく分けて「業務改善」と「データ分析」の2つを行える。業務改善では現場の運行管理業務の効率化や可視化、脱属人化を進める。次に、業務効率化をデジタルで行いながら、関連のデータを積み上げる。これらのデータを基に収益を損益分岐点に照らして分析する。そうすることで得られる「しっかりした数字」に基づいて、荷主との運賃交渉に臨む。

▲業務改善例

荷主の構成やルート別、コース別、車両別、日時別といったさまざまな角度で精度の高い分析ができ、ルートや車両ごとの採算性の良し悪しや、どの荷主に対して運賃交渉の余地があるのかなどを、データに基づいて判断できる。同社が物流業界の支援に特化し、地場運送や長距離運送などに関する知見を蓄えてきたことが、こうした分析ツールの開発につながったという。

「業務をやりながらデータをため、データを使って業務を変えていく。業務と経営が相互に最大化される循環を作っていく」。日下社長はロジックスの開発思想をこう説明している。