ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

最大4社に賃貸可能な「DPL新潟巻潟東」を開発する狙いは「地場産業の発展支援」だ

大和ハウス、新潟県で初のマルチテナント型施設

2023年2月13日 (月)

▲「DPL新潟巻潟東」の完成イメージ

話題新潟県内で初となる、最大4社が入居可能なマルチテナント型物流施設が2024年1月に誕生する。全国各地に物流施設を展開する大和ハウス工業の「DPL新潟巻潟東」(新潟市西蒲区)。賃貸面積4547坪(1万5030平方メートル)の平屋建てで、最小1002坪(3312平方メートル)から入居可能。敷地内には近年ニーズの高い危険物倉庫も併設する計画だ。

大和ハウス工業が新潟で大型物流施設の開発を決断した狙いは何か。大和ハウス工業新潟支社建築事業部の西島広晃事業部長と営業課の藤縄晃主任に、DPL新潟巻潟東プロジェクトにかける意気込みを聞いた。

新潟の企業がビジネスチャンスを逃さない地盤作り

「新潟県におけるマルチテナント型の賃貸倉庫は初めて。一番の強みはまさにここです」。新潟に物流施設を展開する思いを語るのは藤縄氏だ。

▲大和ハウス工業新潟支社営業課主任の藤縄晃氏

「一から倉庫を準備するには、資金調達はもちろんですが、土地の選定や確認許可・建築期間を考えると、最低2年はかかります。新潟県の企業がビジネスチャンスを逃さないよう、『今すぐここに倉庫が欲しい』とのニーズに対して迅速に環境を整えていく。こうした取り組みを進めていかなければならないと考えています」(藤縄氏)。こうしたニーズをがっちりと捉えるため、最短で3年の短期賃貸契約を可能とする予定だ。

西島氏は言葉を継ぐ。「今世界的に物流は目詰まりしている状況です。半導体が一番いい例で、海外ではなく国内に工場を作る動きが始まっています。その工場に対して原材料や部品を『ストックしながらすぐに届ける』ニーズが今後は出てくるとも考えているのです」

米どころのイメージが強い新潟だが、金属加工産業も主要産業として長い歴史を持つ。大和ハウス工業は、こうした新潟の産業を捉えた小さな視点から、輸出入の情勢といった大きな視点までを加味することで、新潟の地ならではのニーズに対応した物流施設を提供する狙いだ。

好立地を示す3つのポイントは「高速道路まで300メートル」「北陸と関東の結節点」「新潟港へのアクセスのよさ」

立地面のアクセスのよさには3つのポイントがある。まずは高速道路へのアクセス性だ。​北陸自動車道「巻潟東インターチェンジ(IC)」から西に300メートルと至近。政令指定都市である新潟市内はもちろんのこと、新潟県内各地への配送で高い優位性を訴求できる。

(イメージ)

2つ目は新潟東港までのアクセスの良さだ。バイパスを経由し、車でおよそ30分の場所にあるため、輸入貨物の保管場所としての用途も考えられる。

最後が、北陸圏と関東圏の結節点である長岡ジャンクション(JCT)の先に位置している点だ。藤縄氏は「『物流の2024年問題』を捉えたときにもプラスに働く立地です。日本海側の都市のなかで新潟市は最大の消費地の一つ。そういった意味で遠方からきた荷物を一旦とどめておく場所としても最適です」と広域物流の中継拠点としての活用に期待を示す。

機能面での特徴である危険物倉庫を備えていることで、より幅広い物流ニーズに対応する。下越、つまり新潟市側は危険倉庫が足りていない傾向にある。新潟の主要産業においては工場で危険物品を扱うことも多く、そのニーズを獲得していく意向だ。「敷地内で普通倉庫と距離をあけたうえで、危険物倉庫を併設しています。スプレー、リチウムイオン乾電池、アルコール類など、第4類の危険品が受け入れ可能です」(藤縄氏)

また全国的なブランド力がある米をはじめとする食品関係についても「お米の保管は基本的に15度で保管します。空調等は倉庫の中に入れていませんが、あと工事で対応可能なように追加で室外機をおける場所は想定しながら作っています」(藤縄氏)と自信を見せる。

地域に寄り添う大和ハウス工業の賃貸倉庫

「倉庫」といえば無機質なイメージだが、大和ハウス工業が物流施設を建設する背景には「ただ倉庫を作る」というだけでなく、地域産業を支援しようという「寄り添う気持ち」が感じられる。

特に印象に残ったのは倉庫内にトラックを入れ、シャッターを閉めて作業ができる話になったときのことだ。新しい物流施設では珍しい仕様ではないとしたうえで「新潟は快晴と呼ばれる日が1年間で2週間くらいしかありません。働く人にとって快適な環境になるかと思います」と西島氏は語る。新潟の産業に携わる人の気持ちを理解した中での建設だと、うかがい知れる。

▲大和ハウス工業新潟支社の社員。新潟県内における貸し倉庫マーケット開拓を推進している

このマルチテナント物流施設は、今秋以降に入居者の募集が始まる。なお危険物倉庫は1社のみが利用できる予定のため、検討する企業は早めの問い合わせがおすすめだ。

大和ハウス工業は今回のDPL新潟巻潟東プロジェクトを契機として、新潟県内の他地域でも物流施設の展開を進める意欲を示す。藤縄氏は「貸し倉庫のマーケットを新潟県内に作って行きたい」と意気込む。

「DPL新潟巻潟東」施設概要