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ANA2Qは3年ぶり黒字回復、国際貨物収入は最高

2022年10月31日 (月)

財務・人事ANAホールディングス(HD)は10月31日、2023年3月期第2四半期連結決算を発表した。貨物事業の収入は国際線が前年同期比32.6%増の1835億円と、第2四半期としては過去最高となった。新型コロナウイルス禍が始まってから続く高水準の航空貨物運賃を維持できたことが大きい。全体の業績は第2四半期としては3年ぶりに黒字を回復した。

(出所:ANAカーゴ)

貨物の国際線は、輸送重量自体は減った。前年同期を10.8%下回る42万4700トンだった。回復してきた旅客需要の取り込みを強化したことで、コロナ禍で業績を支えていた旅客機による貨物専用便の運航が減少した。それに加え、自動車関連部品の需要も減退した。こうしたなか、収益性の高い北米路線の運航規模を拡大し、大型特殊商材などの高単価貨物の輸送を手掛けたことで増収を実現した。

一方、国内線は、輸送重量が2.1%増の12万2700トン、収入が1.7%減の118億円だった。

旅客事業を含む全体の売上高は83.4%増の7907億円、営業利益は314億円(前年同期は1160億円の赤字)、最終利益は195億円(同988億円の赤字)となり、第2四半期決算としてはコロナ禍前の19年度以来3年ぶりの黒字回復を果たした。

各国の入国制限の緩和で北米・アジア間の接続需要が回復した。日本発のビジネス需要や駐在員の一時帰国需要の回復基調も強まった。旅客数は前年同期の5.1倍、旅客収入は5.3倍に増加した。

第2四半期の全体業績が当初計画を上回ったことを受け、23年3月期通期の連結業績予想を上方修正し、売上高は1兆7000億円(従来予想1兆6600億円)、営業利益は650億円(500億円)、最終利益は400億円(210億円)とした。年度後半は「全国旅行支援」などの政策効果や訪日客の増加が期待できるとし、第4四半期には国内旅客数がコロナ前の95%(ANA、Peach合計)に、国際旅客数が60%にまで回復すると見ている。

コロナ感染は依然、再拡大の懸念があり、燃油高騰も続いている。国際便運航の大きな支障となっているウクライナ情勢も先行き不透明で、中国のゼロコロナ政策も響き、欧州、中国路線の運航再開は相対的に遅れているという。それでも、ANAはコロナ前水準の「売上高2兆円、営業利益2000億円、営業利益率10%」への成長回帰を目指しており、それに向けた中期経営戦略を年度内に策定する方針だ。

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LOGISTICS TODAY編集部
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