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世界初のワンストップ梱包で倉庫自動化、レナトス

2022年11月24日 (木)

サービス・商品米国のRENATUS ROBOTICS(レナトス・ロボティクス)と同社日本法人(東京都文京区)は24日、「ピッキング・集約・梱包」の3工程を作業者1人で完結できる「ワンストップ梱包方式」による自動倉庫システム「RENATUS」(レナトス)の提供を開始する、と発表した。ピッキングの高速化などにより、人件費を従来から最大で3分の1削減。高効率で低コスト、低リスクな無人倉庫を実現し、世界で庫内オペレーションや機器連携を最適化した物流センター構築に寄与する。

発表によると、同方式による自動倉庫システム提供は世界で初めて。レナトスは庫内に建てられた高さ5〜20メートルのラック内で、敷設されたレール上を専用シャトルが走行。コンテナを効率的に作業者の元まで運ぶGTPタイプの物流ロボットだ。

コンテナ単位で荷物を輸送することから、ピッキング作業は常時コンテナの中身をピックするのみで完結するため、荷物を探したり、迷ったりするロスやミスが発生しない利点がある。さらに、シャトルが作業者へコンテナを供給するタイミングは独自の制御技術により順立てられているため、作業者はピッキングした荷物を出荷用段ボールに入れるのみというワンストップ梱包を可能にした。

▲ワンストップ梱包方式(クリックで拡大、出所:RENATUS ROBOTICS)

使用するAGV(無人搬送車)は、水平2方向に特化した「業界最速の輸送」で稼働。機体やラックの設計に余計な複雑さがないため、故障しにくく価格を抑えることにも成功した。各フロアの外縁部に設置された高速昇降リフトにが庫内搬送のさらなる高速化を実現し、こうした効果で作業員1人が1時間当たり500行以上をピッキングでき、作業は20倍速くなるとしている。

また、独自開発した世界初の配車最適化アルゴリズムにより、シャトルは2000台を同時制御もでき、大規模なラック内部を最短ルートで衝突せず高速移動する。

▲RENATUSのAGV

AGVは通常、荷物を移動式ラックごと抱えて走行して作業員の元まで運搬する。このため、作業員が搬送されたラックから目的の荷物をピッキングする際、荷物をラックから探し出す工程が発生する。さらに、移動式ラックは安全性を確保する必要から高さに制限があり、保管効率が悪いという課題も抱えている。

一方、面積効率に優れた3次元走行型AGVは、水平と垂直の両方向に走ることができるものの、導入コストや作業効率、故障リスクの面が問題視されている。レナトス・ロボティクスは、こうした業界内で進む場当たり的な「虫食いDX(デジタルトランスフォーメーション)」の問題点を指摘。新サービスは「アイテムの保管効率や倉庫運営の人件費削減率、1時間当たりに扱えるアイテム数の多さに優位性がある」として、物流センター全体の最適化を重視した点を強調する。

今回の配車最適化アルゴリズムには、その計算結果をローカル5Gを介して各シャトルに伝達する業界初の方式を採用。機器間の安定した高速通信環境は、ラックの大規模化やバッファ装置、ベルトコンベヤーなどの設備削減につながり、面積効率が大幅に向上してコンテナ100万箱以上を1拠点に保管できる。

今後は、レナタスをさらに改良するとともに、同アルゴリズムや開発済みの製品やマテハン機器と組み合わせ、グローバルにサービス提供を展開していく方針だ。

■RENATUS ROBOTICS製品PV

倉庫自動化、「虫食いDX」から全体最適へ【解説】

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