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SBS、物流センター越谷内に先端ロボ検証施設

2022年12月8日 (木)

▲LTラボ(出所:SBSホールディングス)

ロジスティクスSBSホールディングスは9日、先端ロボットソリューション検証施設「LTラボ」を埼玉県越谷市の物流センター越谷(SBSリコーロジスティクス内)に開設したと発表した。物流現場にロボットソリューションを積極採用し、グループ各社が蓄積してきたナレッジを共有して導入精度向上と運用の早期安定化を図る。

▲LT企画部のメンバー

検証できる内容は多岐にわたり、各種ソリューションの機能評価やWMS(倉庫管理システム)、または連携したソリューション群の実証データ収集や有効性の評価など。メーカーへの改善や改良案のフィードバッグもでき、グループ各社から集めたLTに精通した専門人材メンバー14人が作業を行う。

同グループでは、労働力不足の解消や生産性向上を目指し、SBS東芝ロジスティクス、SBSリコーロジスティクス、SBSロジコムなどが中心となり、物流現場へのロボットソリューション導入を推進している。

現在、同施設では2023年9月に稼働予定の「物流センター一宮」(愛知県一宮市)で採用するロボットソリューションと、24年1月に稼働予定の「野田瀬戸物流センター」(仮称、千葉県野田市)内に開設するEC(電子商取引)専用センター向けソリューションに関する検証作業を行っている。

23年1月には、ロボットソリューション導入を検討中の顧客の商品オーダー情報について、実際にテストできる環境整備も予定。今後、検証できる対象ソリューションを順次追加して、既存拠点への導入も加速させるとしている。

SBSの先端LT検証施設、グループ経営における連携のあり方を提示する契機だ

企業における「連結経営」による効率的な事業展開が叫ばれるなかで、こうしたグループ会社の間での適切な連携のあり方が模索されている。業務効率化に向けた施策から各種製品・サービスの開発まで、幅広い領域で最適なコンビネーションを求める動きが進んでいる。

▲ロボットの動作検証の様子

SBSグループがノウハウを結集した先端ロボットソリューション検証施設「LTラボ」の開設は、グループ各社が物流・ロジスティクスに係る先端技術のアイデアを持ち寄ることで、現場業務のさらなる効率化・最適化を促す取り組みを進める契機となる。

こうした施設を発案して実現にこぎ着けた原動力は、「物流版M&Aの神様」と称されるSBSホールディングスの鎌田正彦社長の指導力ももちろんだが、そのカリスマが掲げるグループの結束と相乗効果の創出にかける強いこだわりを各社が理解しているからにほかならない。

▲SBSホールディングスの鎌田正彦社長

特にM&Aを経て拡大した企業グループの場合は、どうしても各社が独自のノウハウや流儀を尊重するあまりにグループ全体として足並みがそろわず、相乗効果を思うように発揮できない事例も少なくない。連携どころか、縄張り争いの様相を呈することになってしまっては、もはやM&Aによるグループ化の意義さえも霞んでしまうというものだ。

SBSグループは、物流・ロジスティクスに係る技術力をさらに磨くことで、継続的で安定した物流サービスを提供していく戦略だ。その源泉となるのが、グループ間の連携によるものであるという事実は、同業さらには産業界におけるグループ運営の最適化を考える上で強い示唆を与えている。(編集部・清水直樹)

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LOGISTICS TODAY編集部
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