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日本製紙やDOWA、秋田-首都圏で鉄道ラウンド輸送

2023年2月15日 (水)

環境・CSR日本製紙、環境リサイクル業のDOWAエコシステム(東京都千代田区)、日本貨物鉄道(JR貨物)は15日、秋田・首都圏間において、鉄道輸送を活用した「ラウンド輸送」を3月から始めると発表した。2021年11月から実施してきた実証結果を踏まえ、効率輸送やドライバー負担の軽減、環境対策の総合的な観点から本格運用を決めた。

ラウンド輸送は、一般的なトラック輸送で生じる復路での空荷問題が解消できるほか、ドライバーの負担やCO2排出量を減らす効果も期待できる。モーダルシフトにより、輸送モードを複線化することで長距離輸送の効率化につなげる。

発表によると、3社はDOWAが所有する20フィートコンテナ4基を使った実証を通じて、ラウンド輸送のスキーム構築に取り組んできた。具体的には、DOWAが首都圏エリアから秋田県内の同社グループ(日本ピージーエム)工場に向けて、リサイクル原料などを大館駅(秋田県大館市)まで輸送する。復路では、日本製紙が秋田工場から秋田貨物駅に段ボール原紙を積み込み、鉄道輸送で越谷貨物ターミナル駅(埼玉県)まで運び、首都圏の日本製紙が契約する倉庫に輸送する。

▲ラウンド輸送のスキーム(出所:JR貨物)

日本製紙は、秋田県内の工場で段ボール原紙を生産しているが、コンテナを利用するには製品の高さに制約がある。このため、首都圏への出荷の大半はトラックで輸送していた。今回のラウンド輸送ではDOWAの20フィートコンテナを使用。このコンテナは側面上部のウイング部を開けると、高さ最大220センチの製品を積むことができる仕様で、製品輸送の一部を鉄道に切り替えることが可能だ。


▲(左から)DOWAの20フィート私有コンテナ、段ボール製品の積み込みの様子

DOWAはこれまで、輸送品目に合わせた私有コンテナの製作を積極的に行うなど、鉄道輸送の活用を推進してきた実績がある。JR貨物は、両社によるラウンド輸送における幹線輸送を担う。

3社は今後も協力しながら、秋田県・首都圏エリア間での鉄道を活用した輸送を展開し、モーダルシフトを加速させる。トラック物流の負担軽減や輸送ルートの複線化、GHG(温室効果ガス)の排出削減に寄与するとしている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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