荷主ポーラ・オルビスグループのオルビスは20日、ロジスティクスの主要拠点であるオルビス東日本流通センターの直営店舗・BtoB向け出荷ラインの刷新に伴い、重量計を搭載したAMR(自律走行搬送ロボット)を16台導入し、同日から本格稼働したと発表した。日本国内では本格的な実用例が少ない最新AMRを多数導入することで独自の仕組みを構築。省人化と効率化の達成により、庫内出荷作業の生産性向上を目指すとしている。

▲重量計付きAMR(出所:オルビス)
発表によると、今回新出荷ラインで導入した重量計付きAMRは、パートナーである物流企業の流通サービス(埼玉県草加市)と、マテリアルハンドリング企業の椿本マシナリー(大阪府西区)が、製造元のフォワードエックス(日本本社:東京都中央区)と協働し、新たに開発したもの。組み込んだ重量計は、重量計付きカートピッキングで実績のある寺岡精工(東京都大田区)製を採用した。
オルビスの直営店舗・BtoB卸し先向け出荷作業は、日々500の品目の中から、1オーダー当たり平均して20品目・100ピース(サンプル含む)を出荷するという特性がある。従来は、4拠点分のオーダーが割り当てられた重量計付きカートを、人が1台ずつ手で押して移動しながら当該商品が保管されている棚に移動しピッキングしていた。
新たに導入した独自開発のAMRは、1台につき4拠点分の出荷データを受信すると、自動的に最適なルートで棚の間を人やモノにぶつからず安全に巡行。オーダーがかかった複数の商品棚に向かって順番に移動する。すべてのオーダー商品がそろった後、発送ステーションまで商品の入ったケースを運ぶところまでを自動化した。
またAMRに重量計を組み込むことで、ピッキングと同時に重さによる検品を即座に実施し、別工程での検品なしで高い精度のピッキングを完遂することが可能になったという。
自律走行するAMRと、ピック棚にやってきたAMRの搭載ケースに商品を入れる役割のヒトの動きを効率よく連携させるため、商品保管棚スペースをゾーン化し、ゾーンごとにピッキングの作業者を配置するという形を採用した。
さらに作業者の腕には次にピックすべき商品と棚の位置情報が表示されるウエアラブル端末を装着。こうした工夫により、旧出荷システムに比べて同じ出荷能力に対して人員は25%削減、売上高に対する出荷作業費比率は10%削減できる見込み。また作業者がカートを押して長い距離を歩く必要がなくなるため、作業負荷の低減が期待できるとしている。
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