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オルビス、埼玉の通販物流拠点にAGV330台導入

2020年8月25日 (火)

メディカルポーラ・オルビスホールディングス傘下のオルビス(東京都品川区)は25日、通販向け出荷作業の主要拠点「オルビス東日本流通センター」(埼玉県加須市)の通販用出荷ラインを刷新し、集荷から方面別仕分けまでを独自に自動化した無人搬送ロボット「T-Carry system」(Tキャリーシステム)の本格稼働を同日から開始すると発表した。

これに合わせて、ポーラ・オルビスグループのDECENCIA(ディセンシア、同)の通販商品の出荷作業を統合し、9月14日からTキャリーシステムを使った出荷を開始する。ECを主軸に展開するオルビスとディセンシアの出荷作業を統合することで、物流のオートメーション化、スマート化の相乗効果を見込む。

オルビスが導入したTキャリーシステムは小型の自動搬送ロボット(AGV)を活用した出荷システムで、1オーダーに対して1台のAGVを割り当て、集荷から検査梱包までの一連の流れをロボットに実行させる。

これまで手作業だった封函、方面別仕分けについても9種の全配送箱サイズを自動判別する「日本最速クラスの自動封函機」と自動方面別仕分け機で行う。AGVの導入台数は計330台にのぼり、それぞれのAGVがAIを活用した制御システムから指示を受け、集荷から検査、梱包作業場所まで最適なルートで走行・循環する。

旧出荷ラインに比べ、出荷能力は1.3倍に高まり、人員は27%、1件当たりの出荷作業費は18%、消費電力は40%それぞれ削減する見込みで、主力のECチャネルの物流基盤を強化する。

同社は「物流業界では近年AGVが棚を持ち上げ作業者に近づく『グッズ・トゥ・パーソン』(=GTP)の考え方がトレンドになりつつあるが、オルビスではより自社に合ったシステムを構築するため、優れた制御システムで自走できる小型AGVを採用し、従来のGTPの概念を覆す世界でも類を見ない独自の仕組みを構築した」と胸を張る。

Tキャリーシステムは流通サービス(埼玉県草加市)、椿本チエインとともに2018年から検討を重ねて開発に至った仕組みで、AGVは中国の制御技術に優れた浙江リビアオロボット(杭州市)製で、プラスオートメーション(東京都港区)から導入し、一部を改良して採用した。

■Tキャリーシステムの導入効果(旧出荷ライン比)
出荷能力:1.3倍(1時間1800件→2400件)
人員:27%削減(89人→65人)
コスト:18%削減(1件当たり出荷作業費)
消費電力:40%削減(年間15万7920kw相当)

■オルビス東日本流通センター
所在地:埼玉県加須市鴻茎3200-1(流通サービス・騎西物流センター内)
延床面積:1万2623坪(オルビス・ディセンシア使用面積:3828坪)
構造・規模:耐火耐震建築物地上4階建て