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COGNEXの物流向けバーコードリーダーが進化

物流コード読み取りの常識変える「DataMan 282」

2023年3月13日 (月)

話題ハンディターミナルを使用する物流現場に革新をもたらしたCOGNEX(コグネックス、東京都文京区)のバーコードリーダー「DataMan」(データマン)。圧倒的な読み取り精度と速度が“かざし読み”の作業効率を高め、ハンディターミナルの手作業による読み取り作業を次々と「かざし読み」に変えた。

この春、コグネックスはそのDataManシリーズに新たなラインアップを追加。物流現場で最も支持されている「DataMan 280」に現場作業者の声を反映し、さらなる効率化を実現する「DataMan 282」としてリリースした。

▲コグネックス物流事業部担当課長の堺雅紀氏

「従来のハンディターミナルや置き型リーダーを使用する作業の多くは、今後『DataMan 282』をはじめとする画像処理式のバーコードリーダーによって、より作業効率の高い“かざし読み”に置き換わる可能性がある。作業者の負担も軽減されるだろう」。こう話すのは、コグネックスで物流事業部担当課長を務める堺雅紀氏だ。新たにリリースしたDataMan 282によって、コードの読み取り作業はどう変わるのか――。詳しく聞いた。

圧倒的精度と速度を誇る画像処理式バーコードリーダー

「DataMan」は、レンズで捉えた画像からコードを認識する画像処理式のバーコードリーダーだ。物流現場でよく見られるコードの変形や損傷、印字のかすみなどに強い上、レーザースキャナーのように読み取り機器をコードの向きに合わせて近づける必要もない。

レンズで捉えられる範囲内にコードを持ってくれば、あらゆる状態のコードを0.1秒足らずで読み取る。一瞬でコードを読み取るため、”かざす”というよりも、DataManの前を”通過させる”という表現の方が正しいかもしれない。

世界最大のEC事業者や国内最大手の宅配事業者は、この読み取り精度と速度を高く評価し、人手による検品・仕分け・出荷作業や高速コンベアを使った自動読み取りラインにDataManを導入。作業効率を飛躍的に高めている。

現場の声に向き合った「DataMan 282」

では、新たにリリースされた「DataMan 282」は、既存製品と何が違うのか。既存のDataMan 280は、価格と性能のバランスから、物流現場で最も多く使用されているバーコードリーダーだ。


▲新製品のDataMan 282は、シリーズの中で「ミディアム」の性能・価格帯に属する

堺氏によると、DataMan 282の開発には、実際に使用する倉庫作業員からのフィードバックが反映されているという。

堺氏「フィードバックで多かったのは、『ちゃんと読み取れたかどうかが不安』というもの。これが圧倒的に多かった」

皮肉な結果だ。ハンディーターミナルであれば確実に読み取った実感が得られるが、DataManのかざし読みでは、圧倒的な速度が災いし、読み取れた実感が得づらい。また、かざしたコードが読み取り範囲内なのかどうかが不安にうつるという。

堺氏「そこで、新製品の282で複数色の光で実感が得られる機能に加え、読み取れる範囲を拡張した。従来の280にも音と光で読み取り結果を知らせる機能はあったが、物流現場では周囲の音で通知音がかき消されるおそれがあるため、4色のライトで読み取り結果を通知する機能を追加。レーザーで読み取り範囲の中央と限界を明示する機能も追加した。また、コードを照らすライトの明るさを強化し、距離センサーを搭載したことで、上部に設置したセンサー(DataMan 282)から60センチ以内であれば、コードの高低に関わらず正確に読み取れるようになった」

次の動画をご覧いただくとわかりやすい。DataMan 282がコードを読み取ると、「ピッ」という音とともに青色のライトを照射するため、作業者が読み取れた実感を得やすい。また、十字のレーザーが読み取り範囲の中央を示しているため、作業者はコードをかざす位置を把握しやすい。センサーをかなり高い位置に設置しているが、一瞬で正確に読み取れているのがわかるだろう。



あらゆる人が負担なく高いパフォーマンスを発揮する作業に

DataMan 282では、従来の読み取り性能をそのままに、倉庫作業員の“使い勝手”に改良を加えたということだ。この効果は見た目以上に大きい。

▲新機種の「DataMan 282」

読み取れないまま通過させると、誤出荷などにつながるおそれがある一方で、この不安を払拭するために何度もかざしていては作業効率が落ちる。

また、老若男女が働く物流現場では、その人の体格に合わせて機器を調整する余裕はなく、機器が読み取れる高さに人が合わせようとすれば無理な姿勢が作業員の負担になる。これも作業効率の低下と労災の可能性をはらむ。大小さまざまな商品を扱う現場では、さらに負担も大きくなるだろう。

「DataMan 282」は、既に定評のあるデータ読み取り性能に加えて、現場の声を反映した使い勝手の良さを身に着けた。これは、コード読み取り作業に従事するあらゆる人が、商品・貨物の大小に関わらず高いパフォーマンスを発揮できることを意味する。そして、自動化のハードルを下げることにもつながるだろう。

人手不足と貨物の小口化が加速する物流業界において、倉庫作業の効率化・省人化と、倉庫で働く老若男女が負担なく高いアウトプットを出せる環境づくりは至上命題だ。コグネックスが新たにリリースした「DataMan 282」は、なかなか自動化することが難しいコードの読み取り作業を効率化・省人化し、将来の自動化を推進していく原動力となるだろう。

コグネックスは、「DataMan 282」の発売を記念して、同製品の実機をプレゼントするキャンペーンを実施中。3月31日まで申し込みを受け付ける。

実機プレゼントキャンペーンの詳細