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コンテナの十分な借用時間確保を船社に要請、FIATA

2023年3月6日 (月)

ロジスティクスフォワーダーの国際団体FIATA(国際貨物輸送業者協会連合会)はこのほど、各船会社に対し、港に輸入されてきた海上コンテナを荷主や荷受人が無料で借りておくことができる期間(フリータイム)を、新型コロナウイルス感染拡大前の長さに戻すよう要請した。フリータイムはここ数年、コロナ禍による国際海上輸送の混乱で船会社の事情で一方的に短縮されてきたが、FIATAはもはや状況は変わったとして、荷主などに合理的で十分な期間を与えることが船会社の義務であると指摘した。

(出所:FIATA)

輸入されてきたコンテナ貨物を港のコンテナヤードや倉庫で無料で保管できるフリータイムは、通関や検疫などのために必要なシステムだ。フリータイムを超過してコンテナを保管した場合にはDemurrage(デマレージ)という超過保管料が課される。コンテナヤードからコンテナを引き取り、フリータイムの期間内に返却しなかった場合にもDetention(ディテンション)という課徴金が課される。

FIATAはこれらの保管料や課徴金について、「コンテナを早く回転させ、効率的に利用するための重要な手段である」としながらも、輸出の際のコンテナの積み込みと引き渡し、輸入の際の空コンテナの引き取り、荷降ろし、返却には、合理的で十分なフリータイムを許容するべきであると指摘している。

ここ数年、フリータイムが短縮され、デマレージやディテンションが大幅に上昇していた。船会社はコンテナの流動性を高め、混雑状態を緩和するものとしてそれを正当化しているが、FIATAは「荷主側はフリータイムの期限に間に合わせるために多大な努力を強いられ、陸上での混雑、とりわけ主要港やターミナル周辺での交通渋滞を招いている」と主張している。

最近は輸送量の減少でサプライチェーンのボトルネックが軽減され、混雑は大幅に緩和された。空きコンテナも再び流通するようになっており、こうした市場環境の変化に船会社はタイムリーに対応する必要性があるとして、FIATAは短縮されたフリータイムを元に戻すよう求めている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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