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ペース配分/ドライバー日誌第13回

2023年6月16日 (金)

話題何とか2か所の配達を終了したとはいえ、ホッと息をつく暇はない。飲料水を顧客宅へ間違いなく配達するのは当然のこと。ただし、その「間違いなく」という言葉には、「顧客が指定した時間帯を順守する」という大切なポイントが含まれているのだ。

(イメージ)

私が担当する飲料水配送業務は、「午前中」の配送時間を8時半から正午までと定めている。3時間半に17か所を配送する。予期しない道路渋滞などを想定すれば、実質として3時間で配達を完了させる必要がある。1時間に6か所、つまり10分に1か所のペースでルートを巡る計算になる。

2か所で配達を完了した時点で、24分が経過していた。「1か所10分」の原則からはやや遅れていることになる。最初の訪問先がいわゆる「三日月ルート」から外れていたことによる移動時間を考慮しても、遅れ気味であることは確かだ。ビニールシートの処理でもたついてしまったことも影響しているのだろう。

ここで戒めなければならないのが、軽バンでの移動スピードを上げることだ。法定速度を厳守するのは言うまでもないが、むしろ大切なのは配送先で駐車する場所の的確な選定だ。ここでモタモタしてしまうと、ルート全体のペース配分を崩すことになり、遅配につながる可能性もあるからだ。

▲配送という仕事は、まさに時間との格闘だ。体感してみないと分からない感覚だろう

時間配分を改めて意識しながら、3番目の配達先へ向かう。焦る気持ちが頭をもたげてくるが、冷静さを保つよう努める。信号待ちのわずかな時間に水を口に含ませることで、少しは気分転換になるかもしれない。ドライバーを最初に志したころ、「配送という仕事は、時間との格闘である」との言葉を私に贈ってくれた、ある配送の個人事業主の言葉を思い出した。

3か所目の訪問場所はマンションだ。現地まで数分。目的地に到着したところで、判断が揺らいだ。入居者用駐車場のほかに軽バンを入れるスペースはほとんどない。さあ、どうする。(つづく)

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