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オートロックマンションは腕の見せどころ/ドライバー日誌第24回

2023年8月7日 (月)

話題顧客に商品を届ける重要な手段として定着してきた「置き配」。どうしても配送指定時間に在宅できない顧客が商品を受け取れる。一方の配送員も、商品を持ち帰って再配達を顧客に依頼する必要がなくなる。双方にとって利便性の高いサービスであり、ラストワンマイル輸送の効率化の観点から、その存在が急速に注目されるようになった。

▲高層マンションは、戸建てとは違った配送スキルの修得が求められる

ところが、こうした置き配サービスを活用できないケースも存在する。その代表例が、オートロックの集合住宅だ。

住民や管理者が解錠しない限り建物の玄関扉がロックされているオートロックの集合住宅では、顧客の部屋の前に商品を置くことができない。在宅時は顧客が解錠するので問題ないのだが、不在時は持ち帰るしかない。まさかオートロックで施錠された建物の玄関に商品を置いていくことは絶対にできないからだ。

そこで、こうした集合住宅で導入が広がっているのが、宅配ボックスだ。近年は冷蔵機能に対応した機種まで登場しているというから、いかに置き配需要が高まっているかが分かる。とはいえ、大型タンクに入った飲料水を収納できる宅配ボックスにはめったにお目にかかれないのも実情だ。

もっとも、宅配ボックスの空きスペースを求めて、宅配各社が午前の早い時間帯から「争奪戦」を繰り広げているのが実態であり、昼前に訪問してもすでに空き枠がないケースも珍しくない。その場合は、不在時の連絡票を郵便受けに入れて再配達を促すしかない。

(イメージ)

もちろん、ドライバーもこうした事情に甘んじているわけではない。顧客に荷物を手渡すための作戦を考えるのだ。平日であれば、特に指定がない限りは遅めの時間に訪問できるようルートを設定する。逆に週末であれば、早朝に回るのも一案だ。顧客の外出前か帰宅後に訪問時間を調整するのだ。

顧客の立場で考えても、再配達は避けたいと考えるのが通例だろう。不在連絡票に記載されたとおりに再配達を設定するのだが、その時間帯に確実に在宅していなければならなくなり、時間を有効に活用できなくなる可能性もある。オートロック集合住宅への配送は、ドライバーが配送ルートを工夫することで、成功率はかなり上昇すると考えている。まさに「腕」の見せどころなのだ。(つづく)

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