拠点・施設旭硝子は8日、ソーラー用カバーガラスの収益性改善を図るため、AGCガラス・ノースアメリカキングスポート工場(米国テネシー州)を閉鎖すると発表した。
この閉鎖により、同社グループのソーラー用カバーガラスの生産能力は、3割以上削減される。
世界のソーラー用カバーガラス市場が、市場成長の鈍化や中国ガラスメーカーの台頭による競争激化に伴い、供給過多となっていることから、アジアや欧米の4拠点で同製品の生産を行っている同社グループでは、市場環境に合わせた生産体制の見直しが急務となっていた。
米国のキングスポート工場は、ソーラー用カバーガラスのガラス素板生産、加工を行う専用工場で、今回の閉鎖決定を受け、今月中に閉鎖する。
米国スプリングヒル工場(カンザス州)では、薄膜太陽電池用ガラス基板や太陽熱発電用ミラーのガラス素板を生産しており、これらのソーラー関連製品の米国生産は、今後も継続する。
旭硝子は「今回の工場閉鎖によりコスト競争力を強化するとともに、強みであるコーティング技術を活かし、中長期的に成長の見込まれるソーラー関連市場での販売強化に取り組む」としている。