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NX総研レポ、国内輸送は0.5%減もマイナス幅縮小

2023年10月11日 (水)

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調査・データNX総合研究所(東京都千代田区)はこのほど、2023年度の経済と貨物輸送の見通しを発表した。これによると、国内貨物の総輸送量は23年度通期で0.5%減とマイナス幅は縮小し、品類別輸送量では、消費関連貨物が2.4%増、建設関連貨物が2.7%減としている。輸送機関別輸送量では、JRが0.3%増と4年ぶりに増加し、内航海運は2.8%減、国内航空の輸送量は2.6%増となると予測した。

国内貨物輸送の総輸送量は、22年度は消費関連貨物や建設関連貨物の不振を受け、1.6%減とマイナス転じたが、23年度は前年度の落ち込みの反動もあり、消費関連貨物がプラスに転換するほか、生産関連貨物も小幅ながらプラスを維持。その一方で、建設関連貨物が輸送量を大きく下押しし、総輸送量は0.5%減と2年連続の減少となるが、マイナス幅は縮小するとした。

品類別輸送量における消費関連貨物は、可処分所得の減少などを背景に個人消費が減速する一方で、前年度の減少の反動もあり2.4%増とプラスに反転。生産関連貨物は、原材料・燃料価格の高止まりや、鉱工業生産の減少が予測されるが、自動車・自動車部品、鉄鋼、化学工業品などに小幅な増加が期待できることから、通年では0.5%増。建設関連貨物は2.7%減で総輸送量を大きく下押しするとした。

輸送機関別輸送量では、JRコンテナが0.3%増で、小幅ながら4年ぶりの増加となり、積み合わせ貨物や自動車部品などが堅調。JR車扱は、ウエートが大きい石油が堅調に推移するほか、上期のセメント・石灰石の盛り上がりもありトータルでは3.5%増と予測する。JR全体としては1.3%増と4年ぶりにプラスに反転する。他の鉄道は、前年度における大幅減の反動もあり3.2%増としている。

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内航海運においては、大きなウエートを占める石油製品が減少し、鉄鋼や化学製品においても盛り上がりが期待できないことから、生産関連貨物は2%超の減少、建設関連貨物も4%近いマイナスとした。国内航空においては、復便による供給力の増加が見込まれるものの、輸送量は2.6%増にとどまり、コロナ前(2019年度)の7割強の水準を見込む。

国際貨物輸送の外貿コンテナ貨物においては、世界経済が緩やかながらプラス成長を維持するなかで、輸出は1.6%増と小幅な増加となり、貨物量はコロナ前(2019年度)の水準には届かないとみる。輸入量は1.9%減と前年度に引き続き減少。海外生産拠点の国内回帰や調達先国分散、対日投資の拡大などで、部品・部材類の荷動きが活発化し、下期は前年度の反動増により小幅ながらプラスに転換したが、上期の減少を補いきれず、年度全体では2年連続のマイナスとしている。国際貨物輸送の国際航空貨物の輸出量は、9.6%減と2桁近くのマイナスとなり、輸入も9.2%減と前年度に引き続き減少すると予測した。

7月から9月実績の国内向け出荷量「荷動き指数」はマイナス13で、前期(4月から6月)実績から横ばいで推移した。7月から9月実績の業種別「荷動き指数」では、全15業種中8業種において前期から上昇したが、輸送用機械・金属製品・精密機器の3業種のみがプラス、食料品・飲料がゼロ水準で、残りの11業種はマイナスだった。10月から12月見通しでは、13業種が上昇するが、プラスは6業種となる見込みだ。

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LOGISTICS TODAY編集部
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