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日通総研調べ

20年度国内輸送量の落込み、リーマン超えの見通し

2020年10月7日 (水)

調査・データ日通総合研究所(東京都港区)は6日、新型コロナウイルスの影響を受け、2020年度の国内貨物輸送量が前年比7.2%減の大幅なマイナスになるとの見通しを発表した。

四半期ごとに公表している「経済と貨物輸送の見通し」の6日公表分によると、リーマン・ショックで大きく落ち込んだ09年度(6%減)を下回る伸び率で、個人消費、設備投資など民間需要の総崩れに加え、輸出の低迷を受けて生産関連貨物は1割弱の大幅なマイナス、消費関連貨物も5%台の減少となる。公共投資はプラスながら、住宅投資の大幅減もあって建設関連貨物も6%弱のマイナス。建設関連貨物を除く一般貨物は7.8%減少する。

消費関連貨物は、消費増税の影響と「コロナ・ショック」に伴う経済活動の自粛が大きく下押し。上期は日用品などを中心に10%近いマイナスとなるが、下期は前年同期での大幅減(8.6%減)の反動もあって小幅なマイナスにとどまる見込みだ。それでも通期は5.6%減と、前年度よりマイナス幅が拡大する。

生産関連貨物は、設備投資や輸出の不振を背景に鉱工業生産・出荷が低迷する中、9.5%減と低迷。新生活式の定着によりパソコン、エアコンなど家電の一部に特需が発生するが、一般機械、自動車、機械部品、鉄鋼、化学製品、石油製品などが低調に推移し、年度を通じて低迷が続く見通し。

建設関連貨物は、公共投資が引き続きプラスとなるものの、大規模公共土木工事の執行が期待できず輸送量は5.9%減。住宅投資の大幅な減少も下押し要因となる。

輸送機関別では、JRコンテナが大半の品目で前年度水準割れとなり、6.6%減と再び低調に推移。トラックドライバー不足の一時的な緩和もマイナス材料となる。エコ関連物資には堅調な推移を期待できるが、積合せ貨物は「横ばいがせいぜい」(日通総研)。車扱貨物は石油の需要減が続く見通しの中、5.4%減と3年連続のマイナスとなる。上期は外出自粛などに伴い、石油の需要が大幅に減少。下期は前年度の減少の反動が予測され、小幅ながらプラスに反転する。

内航海運は、大きなウエートを占める石油製品、鉄鋼、化学製品などが大幅減になるなど、生産関連貨物、建設関連貨物とも不振が予測され、トータルでは12.9%減と7年連続のマイナスとなる見通し。

国内航空は、需要低迷に加え供給力の減少が足かせとなり、28.7%減と大幅減。コロナ・ショックの影響による移動自粛を背景に、4-6月期は半減、20年度いっぱいは需要の低迷状態を抜け出せない、としている。

外貿コンテナ・航空貨物輸出、2年連続マイナスへ