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クロネコメイト問題で初団交、ヤマトの対応に変化か

2023年10月18日 (水)

ロジスティクスヤマト運輸が配送の業務委託契約を結んでいる個人事業主「クロネコメイト」との契約を終了し、仕分けのパート社員の解雇通知を行ったことを受け、ヤマト運輸茨城ベースで勤務するパート社員18人が結成した労働組合は、10月16日に報道向け記者会見を開いた。組合側は会見で、2024年1月いっぱいでの契約終了の通知が従業員に届いていることを明らかにし、契約終了の撤回を求めた。

(出所:建交労軽貨物ユニオン)

会見に続き、組合はヤマトと団体交渉に入ったが、ヤマト側からは「整理解雇ではなく人員配置の精査を行っており、余剰人員となった方に退職のお願いをしている」旨の説明があったという。また、契約終了の際の「慰労金」の取り扱いについても協議が行われた。当初ヤマト側から送られた通知とは若干対応の変化があり、今後の推移が注目される。

また、ヤマト運輸では、全国で3万人の個人事業主と配送業務の業務委託契約を結んでいるが、この契約も来年1月いっぱいで終了するとしている。配送業を営む個人事業主などで構成されている建交労軽貨物ユニオンはこれらの契約解除についても団体交渉を申し入れているが、業務委託は法律上の労働者に当たらないとしてヤマト側は団体交渉を拒否している。ユニオンは、配送業における業務委託の労働場所や労働時間について、東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てる方針だという。

一般に、業務委託契約では、請け負う側が仕事をする場所や時間などに裁量をもって仕事をすることができるため、発注側の使用者とはならず、労働組合法上は労働者として扱われず、労働組合を作って発注側と団体交渉を行えないことが多い。しかし、配送業においては配達の場所や時間など、請け負う側の裁量はあまり大きくないため、法律の上で労働者として扱うことがある。実際過去には、アマゾンやウーバーイーツの配達員に労組法上の労働者が認められたり、労働基本法上の労働者性が認められ、労災が認定されたりといったケースもある。ヤマトの配送担当者について労働委員会がどういった判断を下すのかが焦点となっていきそうだ。

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LOGISTICS TODAY編集部
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