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興能運送が倒産、経理担当が関越道バス事故で死亡

2012年12月3日 (月)

話題東京商工リサーチ(TSR)はこのほど、興能運送(石川県鳳珠郡能登町)が11月19日、金沢地裁輪島支部から破産開始決定を受けたと発表した。破産管財人は杉森芳博弁護士で、負債総額は9000万円。

TSRの発表によると、同社は電子部品を中心に食品、雑貨などを関東や関西方面に配送し、最盛期の1981年12月期には大型5台、中型4台のトラックを保有し、1億1000万円の売上をあげていた。

しかし、98年以降は不況の影響で大口荷主からの受注が減少し、関東や関西からの帰り便の荷物確保が困難な状況が続いたこともあり、売上は減少に転じた。

09年に入り、大口荷主が事業を停止したことが響き、11年12月期は売上が一気に3541万円まで落ち込んだ。この間、燃料高騰もあって赤字が続き、累積赤字は6000万円を突破していた。

このため、役員報酬の大幅な削減など経営改善に着手していた矢先、ことし4月29日に子供の試合観戦のため上京中であった代表者の妻で同社の経理担当役員が関越道で発生した高速バス事故で急死。

これにより業務に大きな支障をきたし、業績の改善見通しも立たなくなったため事業継続を断念した。