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イイダが倒産、負債45億円、TDB調べ

2012年10月29日 (月)

産業・一般帝国データバンクは29日、電子部品・OA機器組立などを手掛けるイイダ(東京都大田区)が26日に東京地裁から破産手続き開始決定を受けた、と発表した。

イイダは、1956年3月創業、同年10月に法人改組された。内蔵アンテナの組立のほか、プリント基板、ワイヤハーネスなど電子部品組立、精密板金加工からOA機器組立などを行っていた。

当初は、大手複写機メーカーの下請業者としてプレス・板金加工に特化していたが、OA機器の高付加価値化に伴い業務も拡大、最近ではEMS(電子機器受託生産サービス)まで手がけていた。

主力得意先の大手複写機メーカーからの受注を背景に、95年10月に100%出資子会社のイイダテクニカを設立し、ピーク時の2001年3月期には年売上高165億円を計上、毎期1億円超の申告所得を公示していた。

02年には中国に現地法人を設立するなど業容を拡げ、08年3月期には年売上高135億6900万円を計上していたが、その後は主力得意先グループの生産拠点の海外移転や市況悪化のほか、イイダテクニカへの業務移管などもあって、10年3月期には年売上高92億7200万円に減少。

このため、ほかの大手企業関連の受注獲得に注力していたが、これらの企業からの受注縮小や選別受注を進めたことも影響して売上高はジリ貧となり、12年3月期の年売上高は31億4500万円に落ち込んでいた。

損益面も長引く円高による為替差損やデリバティブ取引解約などもあり、3期連続の赤字計上となるなか、ここにきて事業継続を断念した。負債は推定45億円。

子会社のイイダテクニカも、同日付で東京地裁から破産手続き開始決定を受けている。同社は11年9月期に年売上高35億5000万円を計上していたが、親会社に連鎖する形で今回の措置となった。